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第2章 13
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大河の威圧オーラに、完全に意気消沈してしまった信之は、それまでの勢いが嘘だったかの様に、体を縮こませてしまった。
そんな信之を鋭く睨みつける大河に、自分が怒られた訳でもないのに、綾人も信之同様、体に少しの震えを感じる。
大河はアルファなので、オメガである綾人と信之は、アルファの威圧オーラを出されただけでも、知らずに本能的な恐怖を感じてしまうのだ。
それに、滅多なことでは怒ったりしない大河の怒気に、触れると
何だか分からないが、身体が金縛りにでもあったかのように、ギクシャクと動かなくなる。
これは本能的な恐怖なのだーー。
絶対王者であるアルファの怒りを、心より先に身体が受け取ってしまう。
綾人が震えそうになる手を何とか大河へ伸ばして、その怒気を鎮めようとしたその時ーー、
「父さん。母さんも震えてるから、そのオーラをしまってあげて」
と、大河の威圧に唯一影響されない。同じアルファ性を持つ李土が、仲裁に入ってくれる。
李土に言われて、はっ__と、
隣に座る綾人も震えていることに気がついた大河が、途端に威圧オーラをしまうと、
一気に肩が軽くなったような安堵感が、胸に満ちる。
そんな綾人の様子を感じ取った大河が、
綾人のすぐ側までやってきて、その細い身体を抱きしめてから、
「すまなかった…。怖がらせたな」
と、耳元で囁くように謝罪した。
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