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第2章 17
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執事というものに生まれてこのかた遭遇した事などない綾人達は、突然の事に数秒、固まってしまったが、
声をかけられて居るのに返事をしない訳にも行かず、
「いえっ!こちらこそ、本日はどうぞ宜しくお願い致します!」
と、ガチガチに緊張を滲ませた声ではあったが、父がなんとか言葉を返した。
綾人もペコリとお辞儀をした後、
「父の手伝いでついて来ました。天野綾人といいます。本日は宜しくお願い致します」
と、とりあえず第一印象は大事なので、丁寧に言葉を続ける。
そして老執事の案内の下、この度パーティーが催される一室に案内されたのだがーーーー、
何ここ、、、広すぎっ!!
豪邸に入った時から感じていたが、もはや家などと言う表現は超過している。
数百人は余裕で収納できそうな広い空間は、開放的な大きい窓がずらりと並んでいて、既にセッティング済みなのかアンティーク調の面長い机に、シワひとつない白いテーブルクロスがかけられている。
その机の上に、パーティーで出されるのであろう料理の数々が、使用人達により次々と運ばれて来るのを横目にしながら、
綾人達も、指示された場所にある、これまた高そうな花瓶の中に、選ばれた花を刺していく。
ーーー作業もあと少しで終わる。という頃、
急にトイレに行くたくなってしまった綾人は、近くにいた使用人の女性にお手洗いの場所を聞き、パーティー会場を1人出て、長い廊下を早足で進んでいた。
そして、見つけたお手洗いの個室に入った瞬間、
ハァーーー、、
と、何とも重いため息が口から漏れ出る。
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