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第3章 5
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「…ーーどちら様でしょうか…?」
猛が警戒もあらわに男達に目をやった時、美貌の男の方と目が合わさった。
ーービクリッ、
その瞬間、雷にでも撃たれた様な衝撃がその身を襲う。
ーー…アルファだ…。
ーーー間違いなく、
ーーーーこの人は…アルファだろう。
そして、きっと綾人の話しに出てきた相手も、この人だと本能で分かってしまった。
ーーーああ、逃げられない…。
圧倒的な存在感に、ただ立ち尽くす猛を見ながら、唐突に、その男が笑った。
ーそう。笑った…。
ーーとても恐ろしい笑顔だった。
「天野綾人さんは中に居ますよね。ーー入っても?」
頼んでいるような言葉だが、それは表面上、そう見えるというだけだ。
この男は頼んでいる訳ではない。さもそうするのが当たり前のように、命令しているだけだ。
しかし、猛は男の願いを断る事は出来なかった。
ーガク、ガク、と震え出す脚をぎこちなく動かし、体をずらして男に道を譲る。
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