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「ツバメの姿をしているから一瞬誰だか分からなかったよ。しかし、一体どうしてこんなことになったんだ?」
「さあ……僕にもよく分からない。目が覚めたらいきなり翼が生えてたんだもん。ビックリしたけど、すごく嬉しかった。きっと神様が僕の願いを叶えてくれたんだ」
「君の願いを?」
ソウゲツが尋ねると、王子様はポッと頬を赤らめて「うん」と頷いた。
「感謝しなくちゃ……。久しぶりに見た。あなたの顔。ねえ、もっとよく見せて……」
二人は額を近づけてお互いの顔を懐かしむと、いつしか身体を触れ合わせ、幸せそうにキスを交わしはじめた。
ソウゲツは涙が出そうになった。
はじめて啄んだ王子様の薄桃色の唇は、今までに触れたどんなものよりも柔らかかった。
これ以上はいけないと思っても、気分は否応なしに盛り上がってしまう。
そう、季節はもうすっかり春なのだから──。
意を決し、少年の燕尾を上下に撫でつけて、さりげなく求愛行動に及んでみたが……。
それに気づいているのかいないのか、彼の愛しい王子様は「あ、そうだ」とばかりにパッと顔を上げると、好奇心をたっぷり湛えた瞳でこんなことを言いだしたのだ。
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