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苦しんでいるコイツを…
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煌鬼side
「…待って…置いてかないで…くるし……よ…」
寝てもなお苦しみ夢でうなされているこいつはBLACKFOXのメンバーで主戦力の闇月悠だ…いつも屈託のない笑顔でケンカをして、バイクで暴走しているバカっぽいやつ。のはずだった。しかし俺の目の前にいるこいつはその面影すらないただ弱い少年のようだった。よく見てみれば体は細い、腕は折れそうだし顔つきは人形のようで目を離すと消えてしまいそうな儚さも兼ね備わっている。今夜のこいつは月明かりさえも拒絶する闇をまとい、自分自身手負いだったにもかかわらず俺らと対等にやり合った…能力よりも深い闇を持っていそうな儚げな人間。それが今の闇月悠に抱く印象だ。額に浮かぶ汗すら美しいなんて反則だ。こいつが本当に笑うとこをみたいと思った。
「チッ」
俺はこの苦しんでるやつをどうしたいんだ…?敵……だぞ…
珍しく悩んだ俺は答えさえ出せず舌打ちをした。部屋に響くとは思わなかったし、もちろん
「……んっ…こ、ここは?…どこ…」
こいつが起きちまうなんて一切頭になかったんだよ!!!!
「お……起きたか…」
なでなで…
ってなに頭撫でてんだよ俺は?!
「…んっ…あったかい…」
う、受け入れている…だと?!
「そうか…」
いや、そうか…じゃねぇ!!!動揺しすぎて何も会話できん!!!
「……あ…もしかして銀龍のそうちょーさん?…ってことは俺は拉致られた?…なんでこんなフカフカなベットに寝かされてんの?拉致ったんなら床にころがしとこーよw」
「は??」
は??
「…どーしたのさ」
「いや。別に拉致ったわけじゃねぇよ。」
「へ?違うの?じゃなんで?手当もされてるし、なんかベットに寝かされてるし…高級そうなのが申し訳ないんだけど…」
ん?!高級???
「いや、どこにでもある普通のベットなんだが?」
「え?ふつーは雑魚寝とかじゃないの?あれ?俺おかしい?」
「…フッ…かわいいな…」
は???可愛い?いや待て待て待て待て…そりゃねぇよ?!だって…男だぞ?!…いや、偏見とかそういう系の人をバカにする訳じゃなねぇけど…あくまで俺の恋愛対象は…女…だと思う
「……」
「ね〜なんか喋って〜…反応ないのキライなんだよ〜…むー」
「あ、ああ…というか触れないのか…その、可愛いって言ったこと」
「…別に、言われ慣れてるし、あんたに言われるの不思議と嫌じゃないから気にしてないだけ…」
「そうか…」
やはりどこか虚ろな感じは抜けない…きっと色々苦しんで来たんだろう…俺はこいつをどうしたいんだろうか…
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