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二十話 最後に由那と
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ウタを帰した後、千優と由那は帰り道を歩いていた。
千優は足を少し庇えば歩ける程度で、やはりスピードは遅い。そんな千優に由那は合わせている。
千優はマンションを目指しているが、由那も付いてくるつもりらしい。
「……来須」
「ん?」
話し掛けていいものかすら分からないが、このまま無言というのも気持ち悪く、由那に声を掛けた。
まだ由那は寂しそうな顔で笑っている。
「これで終わったのか?」
「うん。千優には大分迷惑をかけたね」
「いや、いいよ。来須も辛かっただろ」
由那は立ち止まって千優の手を掴んだ。千優も立ち止まって振り向くと、由那が千優の肩に顔を押し付けた。
身長差があるのだ。元の姿なら胸を貸せたのだが、と千優は由那の頭を撫でた。
「ごめん、少し……」
「落ち着くまで、そうしてていい」
由那は肩を震わせて泣いていた。どれだけ苦しんでいたのだろう。ウタが犯人じゃない証拠を探してきたと言っていたのを思い出すとやりきれない。
「ひぐっ、ひっ……く」
小さな身体で抱きしめてやる事しか出来ない。どうしたら友達の心を癒せるか、千優には分からないのだ。出来る事といえばただ一緒に悲しむ事だけ。
「犯人探しなんか、するんじゃなかった。そうすればこれからも知らないまま、ウタは俺の味方で、友達だったのに……」
「そのままにして、もし来須が死んだら? それでもいいってのかよ」
「その方がきっと幸せだった」
「何言ってんだよ。お前は俺の友達だろ!? お前に何かあったら俺が悲しい」
千優は由那を引き離し、涙と鼻水でグチャグチャになった顔を正面から見つめた。
顔は真っ赤で、笑顔なんて作れない程に泣いているたのに、由那はあははと泣きながら笑った。
「千優は、本当いつも自己中だなぁ」
「俺の悪いところだよ、分かってる」
「ううん、そんなところもかっこいいよ。あはは」
「茶化すなよ」
由那が泣き止んでからまた歩き出す。
二人とも心細さがあって、手を繋いで歩く。由那の身体は本当に感じやすくて、手を繋いでも手が感じてしまう。
特に指は感じやすい。
「……ん、来須。指……」
「帰ったらしてあげる。今は我慢ね」
電車に乗る時には、千優の男性器は勃起していて、隠そうと前屈みになる。
「ここが感じるの?」
「や、やめ……」
時折、由那が千優の尻に手を這わせる。声が出そうになるのを我慢して手すりに捕まって耐えた。
千優には痴漢プレイは心臓に悪い。誰かに見つかったら、由那が捕まったら、大人にバレて怒られたら、そう考えると気持ちの面では冷や汗をかいているのに、その身体は許してくれない。
快感に素直で、勃起したまま治まってくれないのだ。
ようやくマンションに着き、玄関のドアを閉めるとすぐに千優から由那を求めた。
由那に抱き着いて、自分の男性器を脚に擦り付けた。
「まだ我慢だよ」
「むり……来須、早く。イかせて」
「じゃあ、服を脱いで」
千優は恥もせず、ブレザーを脱ぎ、ズボンを脱いで、シャツや下着も脱いでいった。
「エロさが足りない」
「う、うるさいな」
「ま、いいや。恥ずかしそうにしてる千優が見れて俺は満足」
楽しそうに笑う由那は膝を着くと、そそり立ち蜜を垂らす先端に舌を這わせる。
「ひぁっ……」
「自分のチンコ舐めるとか、どんな罰ゲームだよって思うけど、千優が感じてるなら悪くないね」
男性器は由那の口の中にすっぽりと収まってしまった。温かい唾液と粘膜で性器が溶けそうになる。
千優はたまらず腰を振った。
ジュボジュボと淫らな水温を響かせ、とろける口の中に射精をする。
興奮は最高潮だ。
「気持ち良かった? 次はお尻でもイカせてあげるね」
由那は精液を飲み込んだらしい、千優がボーッとしているとキスをされた。青臭い臭いが鼻につく。
気持ち悪い筈なのに、そこまで嫌悪感が無い。それどころか舌が気持ち良くて感じる。
千優は由那に連れられて、ベッドに寝かされた。
「あぁ、俺千優とこんな事しちゃってるよ」
「誰とでもするんだろ、来須は」
「うん。だけどね、千優とこんな形でするのはどうかなって思ってたんだ」
「……俺がスグファンだから?」
由那の言葉が頭に入ってこない。快楽が優先になってしまう。
「そうだね、それもある。俺、意外とロマンチストだったのかも」
ベッドのすぐ側に置いてあるローションを手に取って、千優の穴を解す。触られただけでも強烈な快楽なのに、一番感じる奥を指で擦られたら、頭が真っ白になって何も考えられない。
「君と入れ替わったのは、俺の苦しみを知って欲しかったからなんだ。俺の方が自分勝手だよね。
けど入れ替わってチャンスだと思った。由那の不自由な生活じゃ犯人を見つけられなかったから。
千優には迷惑かけてもいいって思ったんだ。だって君は──」
「あ……そんなんどうでもいいっ! 来須、お尻、奥が感じるの、お願いっ 」
「君をこんなにしてごめんね」
由那は自身の男性器を千優の後孔に当てがうと、思い切り奥まで突っ込んだ。
自分の身体の事は自分が一番分かっている。
弱いところも、突かれると感じ過ぎておかしくなるところも、どういう緩急で責められるのが良いのかも、全て分かっている。
「あっあっあっ、あっ、ひいっ、ひあああぁぁっ」
だらしなく涎を垂らしながらよがる千優を、由那は気絶するまで責め立てた。
由那の激しさに千優はついていけない。何も考えられず、ただ与えられる快楽に溺れるだけだ。
飢えていた身体が八日ぶりに水を得たというものある。実際に生の男根を挿入されて揺さぶられる快楽は、玩具の比ではない。
無意識に由那の背に腕を回し、足を由那の腰に絡めた。
感じるところを擦られて射精を迎えても、由那がイかないので続けて揺すられる。その内にまた勃ち、射精をする。
由那も笑顔ではなく、真剣な顔をしている。それが少し寂しさを帯びているのは何故なのか。千優は消えゆく理性の中で、それだけが頭に残っていた。
「……くっ」
ようやく由那も射精をすると、上下に息を切らせ、汗を顎から流している。
「……来須……なんで、いつも寂しそうなんだ?」
由那はそれには答えずに千優の髪を一つまみしてキスをした。
千優は呆然と、髪にするキスの意味は思慕だという事を思い出していた。
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