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二十二話 由那の過去②
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その頃、千優は木元に救われていた。
千優は木元と同じクラスだったのだ。元気の無い千優に、事情を知らない木元が励ましたのだ。
「人生長いし、挫折する事ってあると思うよ。大事なのは挫折してしまった事じゃなくて、挫折した後どう立ち上がるか、じゃない?」
その言葉は千優の胸を打った。当時既に木元のファンクラブはあったのだが、千優は翌日にはそのファンクラブに入っていた。
由那はそれを黙って見ている事しか出来なかった。
木元は小さくて可愛いだけでなく、明るくて笑顔も魅力がある。由那は木元に嫉妬していた。
嫉妬と憧れる事しか出来ない自分に腹を立てていた。
そんな時、由那に興味を持って近付いたのがウタだった。
「ねぇ、知ってる? 来須君に木元君と同じ様にファンクラブが出来てるって」
「え?」
驚愕だった。地味で大人しくて目立たない、それが自分だと思っていたからだ。
すぐにウタと同じグループのナオとヒイロとも仲良くなった。
「こいつ、一番に来須君のファンになってるんだよ、なっヒイロ」
「なっ、それ言うなよ。あ、あの来須君。仲良くなれて嬉しいよ」
いつも明るいナオと、恋情を向けてくるヒイロ、頼りになるウタと一緒にいるようになった。
由那に人気が出た理由が、可愛い顔してヤンデレ臭が凄いというところだった。
初期ファンは千優のストーカーをする由那のストーカーをしていたらしい。歪んだ愛だ。
同時に千優も裏では有名となり、恨んでいる者も多かった。
由那が教師に根回しをして、二年に上がる時のクラス替えどは由那と千優は同じクラスになった。
ここから高校に上がってもクラスが同じになり続ける事は、この時の千優には知らない事であった。
由那は千優への思いを爆発する寸前まで抱え込んでいた。
「俺、木元君みたいに可愛くなれたりしない、よね? 千優君って木元君がタイプなのかなって。俺も可愛くなったら見てくれるかな?」
由那はそんな事を三人に相談した。
ウタが少し思案した後に、よしと立ち上がった。
「素材は良いし、小柄だからいけるだろ」
そして由那はウタの自宅にお邪魔して、様々な女性服を試着した。
ウタの妹の服というのは照れ臭さもあったが、妹さんからも了承は得ていて、ナオとヒイロも分からないながら手伝ってくれた。
あとは由那の勇気だけだ。
夏休みに入って、ようやく由那は重い腰を上げた。
ダメ元でチヒロに告白する。
そう決めたらウタに女装を手伝ってもらって、いざ告白だ。
何故女装をしたかというと、千優には女性と偽って付き合うつもりだったからである。それだけ自分に自信がなかったのだ。
由那は夏らしく明るめな白いワンピース、ウイッグを付けて麦わら帽子、サンダル。これで本番に臨んだ。
ナオには小学生みたいだと笑われ、ヒイロには木元より可愛いと褒められた。
「途中まで一緒に行く?」
「陰から見守っててあげるけど」
ウタとナオが心配していたが、断った。
その時は人生を賭けていると言ってもいいくらいの心意気で臨んだ。一人の戦いに、誰も立ち入って欲しくなかった。
「大丈夫! ついてこないでねっ」
結果は玉砕。
チヒロが好きなのはスグで、どんなにスグに近付こうと思っても、スグにはなれない。
由那は泣いた。
振られても泣くもんかと顔に力を入れたが、どうしても胸の痛みが治まらなくて泣いた。
やはり一人で来て良かった。こんな、情けなく泣いている姿を見られなくて良かったと、人気のない建物の隅で思い切り泣いていたが……。
「君可愛いね、どうしたの?」
と、急に知らない男に声を掛けられた。
由那は恐る恐るその男に視線を向けたが、ガタイのいい筋肉質な男は、心配しているという顔はしていない。
ニヤニヤといやらしく笑っていた。
「なんでもないです」
「君すげー可愛いね」
腕を力づくで握られ、抵抗も出来ずにその場から連れ去られる。
「やめてくださいっ」
「大丈夫、怖くないよ」
今ナオとウタとヒイロに付いてきてもらわなかった事を後悔した。
ダサい泣き顔を見られようが付いてきてもらうべきだった。
「やだ、やめて……!」
「うるせぇな」
片手で口を塞がれ、腕を縛られた。そしてどこか知らない一軒家に連れ込まれると、そこには大勢の男がいた。
由那の服を脱がせて、勝手に怒り始めた男達に怒鳴られる。
「んだよ、男じゃねぇかよ」
「ざっけんなよ!」
「謝れよ、騙してごめんなさいってよぉ」
何故謝らなければならないのか理解が出来ないのに、男達が怖くて、逆らえなくて、泣きながら謝った。
「ごめんなさい、ごめんなさいっ」
「男でごめんなさいって言えよ」
「ひっぐ……お、男で……ごめんなさい……」
「お詫びに何してくれるのかな?」
男達は由那の胸の突起を弄りながら、下衆な笑みを浮かべている。
何をしなければいけないのか分からない。
彼らがこんな事をする理由が分からない。
「……何を……したらいいんですか?」
下半身裸の男が「女に見えるし、ちんこ付いててもいいぜ」と言いながら由那に膝立ちをさせ、男性器を口の前に持ってきた。
立ち上がった男性器は由那が見た事のない形をしていた。大人のものであった。
「舐めてくれる?」
優しい言い方だが、恐れを感じた由那はただひたすらコクコクと頷き、男性器に舌を這わせた。
舐めた瞬間、吐き気が襲い手で口を押さえると、殴られた。
「何やってんだよ、ちゃんとやれ!」
そして無理矢理口を開かされて、生臭いそれを押し込まれた。
男は腰を使って口の中で勝手に動く。
「噛んだらもっとひでぇ事してやるからな」
気持ち悪さに青ざめた。
吐き気を催しているのに、後ろから体を押さえ付けられ、前からは顔を押さえ付けられ、どうにも不快感を散らせる事が出来ない。
次第に目尻から涙が零れるが、泣いている姿が可愛いと、更に口の中を抜き差しする腰の動きが早まる。
噛まないようにするだけで精一杯だ。
後ろを押さえ付けていた男が、尻を揉みしだき始めた。
尻を揉む手は段々と後孔へと移動していく。
この時の由那は、この後何が起こるのか全く予想出来なかった。
部屋には男達の嘲笑と、由那の喘ぎ声だけが響いていた。
「やっ……やめっ……んあぁっ、ひぃっ」
すっかり慣らされた後孔は難なく男性器を受け入れており、仰向けで両足を大きく開かされ、されるがまま男の吐き出される精を受け入れていた。
何度も後孔に射精され、何度も口内に射精された。
命令されるがまま、精液を飲み、腰を振った。
苦しくて、臭くて、気持ち悪くて……嫌なのに十人程の屈強な男達が怖くて逆らえなかった。
「由那ちゃんのここもゆるゆるになってきたね」
そう言いながらも男は腰の動きを止めない。
何故こんな事をされるのか分からない。
俺が何をしたというのか。
「もうちょい力入れられない?」
どこにどう力を入れていいか分からない、そう涙を流しながら訴えると、他の男が男性器を喉の奥に押し込み、また違う男に乳首を強く摘まれる。
「んんんっ!!!」
痛みに喉を鳴らせる。
「喉が震えてきもちぃ」
「こっちのゆるゆる穴もキツくなったぞ。ちょっと乳首抓っててよ」
男達の笑い声、全身にかかる精液。
由那は人としての尊厳を全て奪われていた。
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