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はじまりのキス。
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もうすぐ日の暮れる時間帯。俺は、自分の教室で1人椅子に座り惚けていた。
後ろにいる人物にも気付かずに。
「 あれ、先輩まだ帰ってなかったんですか?授業ならもう終わりましたよ 」
そう言って、俺のスマホを覗き込んできた後輩。
初めて会ったが、俺は彼のことを顔のみ認知していた。
襟足を赤に染めて、アクセサリーや指輪を煌めかせて。
噂によれば、ピアスもいくつか開けているらしいが定かではない。
「 …生徒会の集まりがあるからな。えーと…お前は確か… 」
「 1年の清川拓哉です、初めまして 」
「 …清川、中学からほかのクラスの教室に入ってはいけないって決まり覚えてねぇのか?高校でもそれは一緒だぞ。
ついでに言うけど、髪の毛とかアクセサリーとか…高校に入って校則緩くなったとはいえ付けすぎだ。控えろ 」
「 それと勉強がなんの関係あんのかわかんねっす、佐々木先輩 」
清川は教室のドアを締めながらそう言った。
「 …決まりは決まりだ、清川は何も予定ないのか?それなら帰った方が__ 」
「 佐々木先輩と一緒に居たかったから、居残りしてまでコソコソ三階のこの教室まで来たのに酷くないっすかー? 」
「 …っそれ、どういう 」
刹那。俺の言葉は、清川__キヨによって、遮られる。
くちゅくちゅという水音と、絡みあうよだれ。
「 んっ、ふ…ぁ、なんっ… 」
こんな。男とキスなんて。初めてだった。
というか、キス自体初めてじゃないか。
「 ろーか、られかきてまふ、しずかに、」
(廊下、誰か来てます、静かに)
「 おーい、良介ー?いないの?生徒会の集まり明日に延びたよーおーい 」
「 LINE入れとけば?交換してるんでしょ二星くん 」
「 先生…まぁそうですけど……わかりました 」
そう言って、2人はパタパタと足音を立てて別の場所へ歩みを勧めて行った。
「 っ、はー、はー、はぁ…きよっ、かわ、…何すんだよ…… 」
「 口塞いだだけですよ。ってか俺が教室の扉閉めてなかったら確実に入ってきてましたよね。
怒られるより感謝されたいです今 」
「 ……よくやった 」
「 っははは、最高。頭固そうな先輩が、あんな声出すとか初めて知りました。
んじゃ俺先輩の顔見れたので帰りますね 」
「 …とりあえずアクセはもうちょっと少なくしろよ 」
ハイハイと言って、廊下の奥に消えていった彼をただ、見つめることしかできなかった。
(…なんだったんだ)
学校イチの__は言い過ぎだろうか、問題児が。
生徒会長という立場の俺に。
何をしでかしたいのだろうか____。
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