アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
銀色の鎖
-
.
すると、香坂は笑って__。
「 ははっ、ネックレス出てますよ、ずっと。奥にしまったつもりなんでしょうけど、普通に外側に出てきてます 」
すると、俺の__正確には、
昨日清川に貰った木の葉のモチーフのネックレスを蛍光灯に照らしてこう言った。
「 あれ、これ…K & R のやつですよね。……でもこんなの見た事ないんですけど… 」
「 …気にするな、返せ 」
「 あーずるい 」
「 …ほら、教室着いたぞ 」
コンコン、とノックをして、教卓に居る先生とアイコンタクトを取る。
「 皆さん。朝読書をやめて下さい。転校生を紹介します。香坂君、佐々木君、入って 」
昨日振りの、1年生の教室。
____清川と、キスをした教室。
「 失礼します。……香坂、ほら 」
その時。窓の外をぼんやりと見詰めていた清川が、立ち上がった。
転校生を指さした手には、もう指輪ははめられていなかった。
「 っ、怜斗!!? 」
「 …キヨくん…… 」
やっぱり。
俺が、清川に
「なぜここの高校に入ったのか」と質疑を投げた時に出てきた、
清川いわく「大好きな友達」。
それが、香坂怜斗なのだろう。
まぁまぁモテていて人気者の清川が怜斗と知り合いならば、きっと皆の輪に直ぐ入れるだろう。
安堵の溜息を零して、俺は1年の教室から出て行った。
「 失礼しました 」
「 あぁ佐々木君ありがとうね 」
「 いえ 」
…ちゃんと、やっていけるだろうか。
香坂も、清川も。
「 …今の俺には、誰かを心配してる余裕なんてねぇんだけどさ 」
そう呟き、三階の3年の教室へと歩みを進めていった。
next page ▶▶
.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 37