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月曜日。
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軽い人物紹介。
藤原 真 ( ふじわら まこと )
3年1組で、佐々木と同じクラス。
軽音部でベースを担当している。生徒会では率先して動くタイプ。
藤原先輩と呼ばれるのが嫌いで、誰にでもフジと呼んでほしい。
平原 冬夜 ( ひらはら とうや )
3年2組で、二星と同じクラス。
ナレーションが得意で1年から放送局の委員長をやっている。
体調をよく崩すので、図書館か、保健室でいつも勉強している。なのに成績はとても良い。
清川と二星も放送局なので、顔を合わせたことがある。
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月曜日の、朝。
とある者は職員室へと急ぎ、とある者は教室へと急ぎ、とある者は自宅へと急ぎ、とある者はトイレへと急ぎ__?
だけど。保健室のベッドで、先を急ぐこととは無縁な人が、一人。
時の流れからは切り離されたような、雰囲気のある三年生。
「 平原君、体調良くなった? 」
保健室のカーテンを閉めて日光を遮断する、保健室の先生。
いつもお世話になっている、本当に。
「 ありがとうございます。一時間、確か国語ですよね。2時間目から図書館行きますから、少し休ませてください 」
保健室のベッドに、移動する。
なぜなら、僕は____。
その時、誰かがまるで滝のような勢いで、保健室の扉を開けた。
「 ヒラ!!!また倒れたって…… 」
「 藤原君。保健室に来る時はノックしてからだよ 」
藤原、真__僕の恋人である、フジだ。
「 フジ…来てくれたんだ。先生、大丈夫ですよ。先生は作業しててください、保健だよりまだ作りきれてないんでしょう? 」
電源がついたまま放置された、視界の端のノートパソコン。
「 …そうね、そうするわ。ありがとう平原くん。…藤原君、平原君のことちゃんと見ておいてね 」
そう言った保健室の先生は、ノートパソコンを抱えて、控えめなヒールを鳴らしながら廊下の奥へと消えていった。
「 フジ、僕大丈夫だから…授業行きなよ、1組は数学でしょ?遅れたらまずいよ 」
「 数学、得意なのお前知ってるべや。平気平気 」
「 そっか……なら、一緒にいてくれる? 」
少しいじらしい聞き方をする。
幸い、保健室には俺達以外もう誰も居なくて。
時計が針を刻む音だけが、響く空虚な保健室。
「 それ以外になんの選択肢があるんだよ 」
俺の背中を支えたフジから、やさしいキスを貰う。
「 ……甘い 」
えへへ、と言って笑う。
「 お前ほんと……かわいい。
あ、そうだ。生徒会に新しい人入ったの知ってる…よな? 」
僕は頷く。
図書館や保健室で勉強していると、皆がしたたかにする噂がよく耳に入るのだ。
「 知ってるよー。清川くんと香坂くんだっけ。まさか清川くんが生徒会入ると思わなかったな 」
放送局で仕事をしている際に、たまに不真面目さが目につくことがあったから。
「 あぁ…放送局一緒だもんな。でも大丈夫だべ、髪染めるのとかやめたっぽいし 」
「 そっか 」
「 ……ヒラ 」
普段は低い声が、俺を呼ぶ時だけ半音だけ高くなるフジの声すら、愛おしかった。
「 どうしたの、フジ 」
「 愛してる… 」
ふわりと風に揺れるフジの前髪。
「 俺も 」
今度は俺から、キスをした。
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