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清川 VS ?
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「 そっち準備出来たかー 」
「 OKです、こっちも配線準備できました 」
「 おう!フードコートは? 」
「 完了です!美味しそうなのたくさん準備しましたよー 」
「 よし!じゃあ予定通り9時から正面の門開けるぞー、保護者の人も他校の奴もいっぱい来てるからな、実行委員も生徒会委員も気合い入れていけよ 」
「 はい! 」
9月の初旬。
今日は水波上高校の、俺にとっては3年目の__最後の、文化祭。
今日のために生徒会長としてたくさんの仕事をこなしてきた。
そして、清川との関係だが。
今はもうすっかり、「恋人」という関係がはっきりしているように思う。
「 生徒会長 」
3階の廊下の端で、清川に話しかけられる。
「 ん、なんだ清川。お前のクラスの出し物メイドカフェだろ?後で行くからな 」
「 …奥で料理作れないから女装メイドとして食品をテーブルまで出す側になったの知ってて言ってます? 」
ちっと舌打ちをしてむくれる清川。
「 まぁちょっと笑われるくらいだから、大じょ__ 」
俺の口内に、清川の人差し指がはいってくる。
「 黙ってください 」
「 んむ… 」
皆いる所で、やめてくれ。そう言おうとしたけど。
「 みんな作業に夢中でこっちのことなんかだれも見てないですよ。__このまま2人で抜け出しても、バレなさそうですよね 」
「 !!やめとけ__俺は生徒会長としてっ、この場にいなきゃいけないんだ__ 」
クソ真面目な俺の回答。
「 冗談ですよ。全く真面目ですね。
…んじゃ、俺も自分の階行きます。
俺のメイドの番は午前なんでこのあとすぐです。
生徒会長のこと待ってますから、早く来てくださいね… 」
清川は立ち上がり、階段の奥へと歩いて行った。
「 生徒会長ー、この荷物ちょっと手伝ってほしいです 」
「 おー了解!今行くわ 」
俺は大きな荷物を抱えている女子生徒の元へとかけていった。
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「 えっ…これを?俺が?着るの? 」
「 そうやよ。キヨくんがふらふらほっつき歩いてたからそれしか残ってないんだよ。
どうせ生徒会長のとこにでも行ってたんでしょ? 」
俺のクラス、1年2組の教室に隣接している、教材準備室。
今日はここで、着替えや食品の準備をするのだが。
俺が生徒会長のとこに行っていたせいで、準備が一歩ほど俺だけ遅れている。
「 ほら、早くしないと開店しちゃうよ。早く着てね 」
怜斗にそう言われるけど。
「 着れるわけないだろ…こんなふりっふりのピンクのやつ 」
そう。
俺が着ようとしている(着たくもないけど。)メイド服は、ピンク色でピチピチのワンピース型で、明らかにほかのメイド服より「コスプレ色」が強いものだった。
これどこで買ったんだよ。ド○キか?
「 いいから、ほら。下ジャージ履いていいから 」
「 !!怜斗、マジ!?そんじゃジャージ履く__ 」
「 もちろん、着たあとは脱いでね。パンツも 」
……そんなことだろうと思った。ってか今しれっとノーパンにしろって言ったよな。
「 ほら、早く着なよ。手伝ってほしいの? 」
「 それはもっと嫌だよ!!…だいたい、なんでお前は制服なのに俺だけこんなっ… 」
「 俺は外で呼び込みやからなぁ。ほら、9時まであと15分だよ 」
にたついた表情の怜斗。
これは、観念するしかないかも__。
「 っわかった…から、準備室の外出てろ…一人で着替えられるし… 」
「 ふふ、覚悟決まった?りょーかい、頑張ってね 」
準備室の扉が開かれ、ほんの少し冷たい風がドアの隙間から流れ込む。
「 …さて、どうすっかな……って、着るしかないよなぁ… 」
本音を言ってしまえば、生徒会長にだけ見てもらえれば俺は満足__みたいなとこがあるのだが。
って、俺。なに考えてんだ。
ずっと付けたままの、ネックレスの木の葉の装飾を握りしめる。
自分の顔が、まるで紅葉のように紅に染まるのが感じられた。
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1万1290アクセスありがとうございます。
新しい小説にも手を付け始めたいのですが、カプが決まりません。
皆様のお好みのカプとかよければ知りたいです、参考にします ◎
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