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いまさら
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うらたsiten
え……?
それは朝っぱらの事だった。
Twitterで流れてきたAV男優紹介のtweetで、
俺は気持ち悪くて表示を停止にしようと思ったんだ。
でも少し目に止まった男優がいた。
それは……
『坂田優』
写真が着いていて
さすがに名前が同じなだけ、と思いながらも
鼓動は早くなる。
もし坂田だったら?俺からの愛が足りないから?
そんな馬鹿みたいな考えが頭の中をぐるぐるぐるぐる回っていく。
ポチ
【写真】
というタグをタップする。
それは……
坂田だった。
髪型は同じ顔の小ささもでも…目の大きさは…少し坂田よりも小さい身長も俺と同じくらいできっと坂田じゃない。
そう自分に言い聞かせる。
違う…違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う……ハッ!
オェゲホゲェ
俺は今までにない絶望感に嘔吐していた。
坂田に、聞かなきゃ
俺は連絡アプリの❣坂田❣と可愛らしく自分で付けたタグの名前のトーク画面に連絡しようとする。
でも…手が震える。
もし坂田だったら?
という考えがまだ残っているからだ。
じゃあ……直接会って聞けばいいんじゃないか……
そっか。
そうだよ。
なにかドロドロとしたものが俺を止めようとしているほど足が重い。
止めようとしてる?どうして?
だってさ精一杯、一生を賭けて愛した人が
裏切ってる"かもしれない"んだよ。
俺はそんな重くて重くて今にも沈んでしまいそうな足を一歩一歩進めていく。
きっとひどい顔してる。
坂田に合わせる顔なんかじゃない。
また……
吐きそうだ
そう思った時
俺の足の重さはすうっと溶けて
坂田の匂いが香ってきた。
きっとまだ寝ているのだろう
足音も聞こえない。坂田らしいな…。
今日初めて笑ったかもしれない。
笑うのってこんなに苦しいっけ?
カチッ
無意識に押していた
すると
坂『はーい!今開けるねぇ!!』
なんて、聞こえたから
俺は返事をするために
口を開く
声が出ない
え……?
どうして?
……『風邪引いたかな?』
……あ
我に戻った俺はハッとして家に戻ろうとする
色々な後悔が浮かんできて
頭がパンクしそうだ
どうしてあの時信じなかった?
どうして来た?
坂田にひどいことを言うだけなのに?
なんで?
どうして?
頭に浮かぶのはその言葉だけ
とにかく早く、早く逃げないと、
ここから出ないと!
早く!早く!
ガチャ
坂『うらさん?どうした?』
やっとの事で1歩外の方向へと踏み出した頃には時すでに遅し、坂田は眠そうな顔をしながらも扉を開けて顔を覗かせていた。
その顔を見た瞬間俺は
言いたいことをなんでも言っていた。
う『なにこれ?!どういうこと?!
俺が悪いの?俺からの愛が足りない?
愛してもまたこんなことするの?
坂田は本当に俺の事愛してるの?
ねぇ!!答えてよ……
もういいよ。浦島坂田船に俺も坂田も必要ないよ。』ポタッ
涙が零れた。
言いたいこと言って坂田を傷つけたのに泣く価値なんてないのに泣いた。
坂『うらさん…違うよ!俺はうらさんを
愛してるよ?』ニコッ
坂田は俺の頬を撫でて涙を指で掬ってくれた。
う『触るな!』
パシッ
痛々しい音が10階の廊下に響き渡る。
俺は左手薬指にはめていた指輪を投げつけた。
こんな俺が大嫌い。
イライラしすぎて大事に大事にしていた指輪を坂田に投げつけてしまった。
俺はハッとして『ごめん!』と口に出す。
いや、
出そうと思ったんだ
そしたらまた、声が出なくて
そのまま俺は何故か走り出していた。
きっと早くこの場から逃げ去りたいと
思っていたのだろう。
坂田の涙を見ながらも……
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