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さぁね
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キャァァァァァァ
1階から数々の人の悲鳴が聴こえる。
俺は床に這いつくばってただ涙を流す。
最愛の人が目の前で死んだ。
そんな現実を突き詰められて
居てもたってもいられなく、
ゆっくり立ち上がる。
サァッ
何かが頬を撫でてきた
まるでキラキラ光るビー玉がふたつ僕の顔に釘付けになっているように真っ直ぐ見つめてくる。
坂田が見えた。
白くて綺麗な右手で俺の頬を撫でている
その手に自分の手を重ねる。
冷たい。
いつもの暖かい手じゃない。
『ごめんなさい』
目を瞑って何度も何度も唱る。
坂田が教えてくれたおまじない。
(((坂『目を瞑って心の中で言葉を唱えると伝えたい人にその気持ちが届くんやって!!』)))
ねぇ坂田届いてる?
この気持ち。
ごめんなさいと大好きって気持ち
うん。届いてる。
目の前の坂田が涙を堪え笑顔で告げているような…そんな気がした。
そっか…よかった。
でも、本当にごめんね坂田
生きてって言ってくれてたのわかったよ。
でも僕は……
最新ニュースです。
今日未明
○○県○○○○市○○○マンションにお住いの
『坂田優さん』が、10階の約○○○○mもの高さから転落し、亡くなりました。
また腹部は刺された傷があり部屋の様子からし荒らされた痕跡はなく、自殺行為と見られています。
あ、たった今この件のニュースで最新速報が入りました。
転落死した、坂田優さんですが
その遺体の近くには他の遺体があり、
そのみ名は……
『高橋渉』さんだとわかりました。
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