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凛だけ、先に処置室の方に行かせ、神原先生は俺と向き合った。
「瀬上さん、凛君、良くないです。
入院というのは、本人があれだけ否定してますし、今の所は…しかし、再検査が必要です。
それも、出来るだけ早く。」
「……。」
なるべく早くに、と念を押された。
わかってる。
ここまで来るのだって、息切れしたり、咳き込んで蹲って動けなくなったり大変だった。
と、いって再検査ともなると医療費がまたかかる。
ため息しか出ない。
処置室に行くと、凛が点滴を受けてた。
「…兄さん。」
凛が嬉しそうに言う。
…まだまだかかる、な。
「…少し眠れ。
終わる頃にまた来る。」
「…ん。」
凛は…付いてて欲しそうだったが…大人しく目を閉じた。
正直、凛と2人でいても間が持たない。
何を…言えばいい?
酷い目に遭っている弟を、一度は捨てた自分が…何を言っても白々しく聞こえてしまう。
…酒が、飲みたい。
言ってて…笑える。
今の家計では無理だ。
……どうしようもない。
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