アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
15
-
……やられた。
やっぱな…。
凛の夢見たし、いや〜な予感してたんだ。
…5日振りに、凛のとこ行くともぬけの殻になってた。
扉の落書きを、ブツクサ言いながら消している人に話しを聞いた。
「あ?ここの人がどこにいったか、だって?
知るかっ!!
全く迷惑な!!」
はあぁぁ……またか。
最初と2回目の引っ越しは、それでも連絡があった。
でも!
3回目以降は、それすら無い!!
連絡ぐらい寄越せってんだっ!!
どこにいったか、わかんねーじゃねーか!
うーーっ、しゃあない…。
………最後の手段使ってやる!
しとしと雨が降る中、傘で顔隠すようにして凛が歩いてく。
「凛!」
一瞬、強張った凛が、俺とわかってホッとしたのがわかる。
「…なんだ…ひなか。」
「なんだはねーだろ?
あのな!引っ越すんだったら、連絡ぐらいしろ。」
引っ越しがわかってから、更に5日待った。
「全く!10日も行方わかんなかっただぞ!」
凛のゆっくり歩くペースに合わせて歩きながら、なおも文句言う。
「でも、会えた。
問題無い。」
「あのなーーー!」
「急だったんだ。
……情報源は、二ノ宮さん?」
「……そうだ。
二ノ宮さんもおまえの事、心配してんだぞ?」
二ノ宮さんに連絡して、凛の病院に来る日を聞いた。
二ノ宮さんは、神原先生のとこの看護師さん。
おっかねー人なんだけど、凛の事、常に心配してる。
俺も、凛を守る側として見てくれて、困った時は泣きついたら、説教と共に情報くれる。
神原先生に言わせたら、患者の守秘義務がどうとかぶつぶつ言われるが、
「大切なのは、凛君が何を必要としてるかですよ?」
と、結局二ノ宮さんにやり込められてしまう…。
有り難いけど、ちょっとおっかねー。
凛は、黙ったまま一軒の長屋の前で止まる。
………なんつーか……ボロい…。
「……着いたよ。…どうぞ。」
ため息を吐きながら、凛が言った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 454