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18 (過去 和也)
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《和也》
…今日も…疲れた。
隣の市のマンション建設予定地が、今度の現場だ。
疲れ果てて…
だのに、真っ直ぐ帰るのが嫌で、ふらふらと彷徨う。
酒が欲しい。
飲まなきゃやってられない。
コンビニで缶ビールでも買って、そこらの公園で飲もうか…?
「……ひょっとして…和也?」
コンビニに入った途端、声を掛けられた。
「やっぱり和也だ!!
おまえ、どこ行ってたんだよ!心配したぞ?」
「……大樹。」
何事かと思って、周りの人たちが見る。
スーツ姿の大樹と一日働いてドロドロになった作業着の俺……確かに異様な組み合わせだ。
「…出よう。」
大樹を促して、夜の公園に来た。
「おまえ、そのカッコどうしたんだ?
俺にも黙って居なくなるなんて…!」
公園に着いた途端、大樹が怒りが収まらないと言った風に喋り出す。
「俺たち、友達だったよな?!
それが…!!」
わかってる。
……大樹は、高校、大学と、親友…だった。
別々の企業に就職してからも、頻繁に会って愚痴言い合える仲間だった…。
「…すまない。黙って…。」
「おまえ…何かあったのか…?」
大樹が心配そうに言う。
昔からそうだ。
お節介で心配性。
大樹なら…いいか。
話しても…。
何より、俺も煮詰まって…もうどうしようもない…。
「…以前、酔っ払って俺の過去の話したの、覚えてるか?」
「ああ?確か…和也が親父さんから逃げて、離婚した和也のお袋さんのもとに来たって話…だろ?
そのお袋さんのおかげで、高校も大学も行けたって…おまえ涙ぐんで言ってたな…?」
「涙ぐんでは余計だ。
…お袋は、俺も連れて行きたいと言ったけど親父がどうしても許さなかったから…泣く泣くお袋が出て行った。俺が小4の時だ。
…親父は、すぐ新しい女を連れて来た。
新しいお母さんだと言ってな。
親父はベタ惚れをだったが…若くてケバい女で…気にくわなかった。何もかも。
女は、もうすでに妊娠していて、まもなく男の子を産んだ。」
「…和也の弟…か?」
「…親父は、自分の子と信じてたがな。
俺は、あの女の事だ、わかったもんじゃない、と成長してからは思った。」
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