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5日後の空は、雲が広がっている。
朝の恒例の、口を使っての甚振りの後…誰も居なくなってから、ひっそりと出かける。
新しい病院は、医院と言った方がいい、こじんまりした所。
事前に知らされている時間に行くと、待合室とは別の所で待たされ、終わったら、裏の方から帰るように指示された。
別の所で、待ってると、隣から声が聞こえる。
「…あの子でしょう、D事件の子…。
あんなのが、ここにやって来てると、患者さんたち来なくなりますよ?
ここら辺、病院や医院の激戦区だし…」
「仕方がないじゃないか。
上からの直々の依頼だ。
まぁ、当たり障りなくやる。」
「知りませんよ?」
その後、名前を呼ばれ、隣の診察室に入る。
睨んでいる看護士と、僕の方を見ない先生と…。
僕は僕に、…玩具にされてる時と同じように、言い聞かせる。
何も…感じない
何も…考えない
多分…それが一番いいんだ。
…診察は、おざなりなものだった。
薬、書いておくから、調剤薬局に行くように、と言われ、そそくさと帰らされた。
隣の調剤薬局に行くと、後で施設の方へ届ける、と早口で言われる。
……疲れちゃった。
ため息が漏れる。
遠回りして…施設に帰ろうか…?
だって…こんな時でもなくちゃ、外に行く事なんか無い。
…川…がある。
あそこ通って、帰ろう。
川…降りられるかなぁ?
降りられたら、いいな。
まだ…午前中だし、平日だし…辺りに人影もない。
降りる所見つけて…鴨を遠目に見て、時折、魚の影を見かけた。
そう…言えば…
水族館に連れてってもらった…っけ…。
もう…ずいぶん、昔のような…気がする。
兄さんがいて
ひながいて
……二人を待ってるだけで…幸せで…。
あれ…?
………涙……?
おかしい…僕…。
まだ…描いてない…。
イルカとペンギンと…魚とクラゲ。
……おかしい…
……泣いたって……戻れないのに…
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