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《凛》
僕は…ぼんやり目覚め、また、眠り…また、目覚め…。
大抵の時は、一人で寝かされてた。
何だろう?
入院してるのは…わかってるけど…一人でいると…何か…不安…。
時々、知らない看護師さんが入ってくると、寝たふりをしてやり過ごす。
…二ノ宮さんやひなの顔が見える時は、安心してまた眠る。
ただ、確実に身体が動かせるようになって…身体に付いている機械の数も、着実に減って来て。
それと共に、何故入院しなければならなかったのか…を徐々に…思い出して行く…。
あの…玩具と呼んだ三人組は…どうしたのだろう?
あの職員は?
あの施設は?
僕は…ひなに会って、そのまま、ぬくぬくと甘えて来て…
もう、会わないと…言ったくせに…。
僕の入院費は…誰が払ってくれてるの?
そんな時…警察が来た。
ドアの外で言い争ってる声がする。
「困ります!まだ、この患者は!!」
神原先生の声…だ。
「意識が戻って、はっきりしたんでしょう?
院長も、問題ないと仰ってるのでね。」
「ただ、事が事ですから!!」
「ああ、レイプの事?」
「そんなはっきり…!!」
「事実ですから、仕方がない。」
「まだ、凛くん、あまり、喋ってはいないんです。だから!」
「喋べれない訳じゃないでしょう?」
「それは…。」
うん…神原先生。
喋れない訳じゃないよ?
具合はって聞かれて、いいですと答える事も、悪い所を言う事も出来た。
ただ、ひなや二ノ宮さんが一緒だと…あんまりにも…満ち足りてて…。
「とにかく!事件のあらましを、はっきりさせるのは、反対です!
この子の神経が、持ちません!」
「D事件の犯人の子が、何を一端な…。」
警察が、ボソッと言う。
………大丈夫…だよ?
神原先生…。
僕は…大丈夫だから…そんなに庇ってくれなくてもいいんだ…。
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