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88 《ある警官》
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《ある警官》
待ち合わせをしてる場所に、急ぐ。
相手はもう来ていた。
「瀬上さんの保護者…ですね?」
「そうです。お世話になります。」
「黒木です。始めまして。」
「…立木和也です。瀬上凛の兄です。」
そうだ、親権者が母親に変わり立木。
この二人は、兄弟なのに、名前が違うんだ。
…兄は、見たところ、普通のどこにでもいる、ちょっとイケメンのリーマンって感じだ。
相手も、意外だったようで、
「随分、お若いんですね。あ、失礼しました。」
「いいんです。
まだ新米ですから。
行きましょうか?もう一人の警官は先に病院に行ってますんで……その方は?」
高校生らしい男の子が一人。
保護者は、ため息を吐いて、
「弟です。どうしてもついて来ると聞かなかったもので。」
「直です!よろしくお願いします!」
弟…?
瀬上凛の調書は、読んだ。
確か、兄一人だった。
と、いう事は…保護者の母親が再婚した連れ子?
まぁ…いいか。
歩いている最中に、保護者が言いにくそうに尋ねる。
「あの…凛に会ったんですよね?
凛の様子は…?」
「それが、実はまだ…。
実は、私は急遽、代役でして。
ベテランの先輩なら、被害者に会った事、あるんですが…。」
……同期の奴が、瀬上凛に暴力働いたというんで、俺に御鉢が廻って来た。
同期の奴は、不服そうだった。
アイツは、何か隠してる!D事件の犯人の子だから!!、と。
でも、上の命令は絶対。
…俺だって、D事件の犯人の関係者とは、正直関わりたくない。
「…だったら良いんです。」
笑って言う。
D事件の犯人とは縁を切ったとは言え、この人物も、息子には変わりない。
しかし、人当たりがいい普通の人物だ。
連れの弟は、背が高く、ファニーフェイスだ。
「直君、だったね?
高校生?」
「はい!高校二年です!
と、言っても、早生まれだけど。」
笑って答える。
「その、弟っていうの怪我したんですか?
兄貴は、全然教えてくれなくて!」
どうやら人懐っこいタイプらしい。
「直!」
「……ごめん。」
苦笑いして、黙る。
……至って、普通。
……どうやら、その被害者も、D事件の犯人の子、という観点からは、見ない方が
良さそうだ。
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