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距離感 4
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「そういえばさっき落としてた買い物袋は何なの?」
「あっ、そうです、僕皆さんにアイス買ってきたんです。藤堂さんに課題を届けてもらったお礼のついでに」
急いで床に落ちているビニール袋に駆け寄り、中のアイスをつんつんと触ってみて溶けてないことを確認して安心した。
「お好きなの選んでください」
机の上にアイスを並べると、藤堂さんは悩まずチョコの棒アイスを選んだ。
「サンキューいぶちゃん」
「チョコが好きなんですか?」
「んー?そうでもないかな」
「えっ、じゃあ別のを選べば良かったのに。もしかしてお好きなのありませんでした?」
5人で分けても充分余る量を買ってきたのに、1つも好みのアイスがなかったのかと焦る。
お礼のつもりなのに好きでもないアイスを食べさせるなんて、と申し訳なく思っていると藤堂さんは「いーのいーの」と笑った。
「俺はこれがいいんだよ」
「でもチョコが好きなわけではないんですよね?」
「まあね」
「???」
どういう事なのかわからなかったけど、藤堂さんがそれ以上詳しく説明する気がなさそうで深く聞けなかった。
「ここまでは教えてあげるから、それ以上は聞いてこないでね」と言外に言われてる気がして、京極さんが言っていた意味をなんとなく実感するようになっていた。
そりゃあ、僕なんかまだ知り合って数日の他人だけどさ。
うまく表現できない複雑な気持ちになって、今度ゆづにぃに相談してみようと決めてバニラのカップアイスを選んだ。
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