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子羊の迷走1
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ありえない………………!
こんなことって!!
俺は、心の中で叫んでいた。
自分が何処に居て、なにをしているのか分からない。
と、言っても…決して記憶喪失とかじゃない。
いや…この状況から逃れられるのなら、むしろその方が幸せかも……。
今、俺は学校の体育館の壇上でマイクを前に立っている。
「副会長にⅡ-3・周防和偉(スオウカズイ)。会計長、Ⅱ-1・櫻木綾世(サクラギアヤセ)。書記局長にⅠ-3・古賀佐久也(コガサクヤ)。文化部統括長、Ⅱ-4・東條伊織(トウジョウイオリ)。運動部統括長にⅠ-4幹颯斗(ミキハヤト)。そして、生徒会長にはわたくし、相庭高良(アイバタカラ)。
―――以上、この6人セットで生徒会役員に立候補いたします」
嘘だろ~~~。
お願いだから、誰か嘘だと言ってくれっ!
壇上には、中央前方でスタンドマイクを前にあんぐりと口を開けて立つ、俺。
間違いなく、アホ面の古賀佐久也。
後方には、高良に名前を挙げられた4人が立候補演説の待機席で立ち上がる。
どの顔も、生徒達にはよく知られている。
その中に、平凡な一般生徒である俺だけが異物。
高良が、ゆっくりと俺の横に並んだ。
体育館内には生徒達のざわめきが広がる。
生徒会の主要役員がセットで立候補するなんて、前例がないハズ。
きっと、どこの学校でもそうだと思うけど…。
この案の首謀者は、間違いなく高良だ。
やることが一般的にはムチャクチャだけど、高良的にキッチリと計算している。
その行動に、俺は今まで散々迷惑を被られてきた。
全校生徒と教職員の視線が痛い。
なんでこんな事になったのか……………。
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