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ヒマワリ 4
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「口移しで、くれ」
そして、ニッコリと笑いかける。
眼を閉じ、佐久也の冷たく熱い唇を待つ。
「うげっ!」
わき腹を踏まれる。
ハイハイ。
そんなはず、ナイと思ってたよ…。
それにしても、なんなんだ…。
本当の姉弟でもないのに、俺より姉貴と息合ってんじゃん。
でも、草履なのでまだ可愛げがある。
「ひどい…佐久ちゃん、何すんだよ……」
「高良が、ニヤケてキモイこと言うからだろっ!」
ニヤケてないだろ!
今のは、ニッコリだっただろ!!
佐久也は言い捨てて、スタスタと外水道のところまで行き、水道の蛇口をひねった。
俺の足元付近の家庭散水用のスプリンクラーが水を噴出しながら、クルクルと回る。
あぁ、気持ちがいい…。
さすが、佐久ちゃん。
グッジョブ!
「バカ高良! もう、知らないからね!!」
俺を置き去りに、部屋に入ってしまった。
俺はまた、ヒマワリを見る。
相変わらず、真上に向かって伸びている。
太陽に恋焦がれ。
誇らしげに、優雅に、胸を張って最高の笑顔。
太陽が沈むと、頭を垂れてうなだれ涙を流そうとも、太陽にそんな姿は絶対見せない。
俺もヒマワリのように、太陽の前では何があってもそうであらねば…。
なんて、思う。
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