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サンタに願いを☆ 1
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☆このお話は、某所サークルのクリスマスプレゼント企画でリクエスト頂いて書き下ろしたお話です。
☆戴いたリクエスト内容は、『迷える子羊』の高良と佐久也のクリスマス過去編です。
☆本編以前のお話になります。
高良・高1、佐久也・中3の冬。佐久也視点。
******
時刻は午後6時を過ぎ、普段なら闇に包まれている冬の時刻。
でも、街は煌びやかなクリスマスカラーのイルミネーションが輝いている。
駅のホームに電車が滑り込んで来た。
その度に俺は、読んでいる雑誌から顔を上げ、降りてくる人を確認する。
もうかれこれ1時間以上、駅に併設されたコンビニで、ホームが見える窓際を占拠して立ち読みをしている。
上りの電車と入れ違いに入って来た下り電車から降りる人混みの中に、スポーツブランドのボストンバックを肩に担ぎ、いかにも「帰省して来た学生です」という風貌の高良を見つけた。
手にしていた雑誌を棚に戻すと、ダッシュで改札口のある駅の正面へ向かう。
改札機を抜け、顔を上げた高良が、俺を見つけると一瞬驚いた表情を見せ、破顔した。
垂れた目を細め、大きな口の両端を引き上げた久しぶりの相変わらずの笑顔に、嬉しくなる。
「高良。お帰り!」
「佐久ちゃん、わざわざ迎えに来てくれたのか?」
緩む顔を、必死に堪える。
「違うし!今夜のおやつを買い足しに出たついでだから」
なんてね。
「へぇ~、そうか」
「だいたい、何時に着く電車で帰って来るのか知らなかったし」
そうだよ!
だから、高良が学校終わって、準備して寮を出る時間を計算して、ここに到着する時間を予測した。
お陰で、結構長い時間をコンビニで潰していた。
「じゃぁ本当に、たまたまなんだ?」
「うん。『たまたま』だよ」
違うけどね。
高良が、バックのポケットから丸めたニットを取り出した。
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