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*日 常* 6
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「でも、それで受かったんなら大したものじゃないか」
「落ちたら小学浪人だって脅されていたから必死だったのさ。今となっては、中学は義務教育だから浪人は有り得ないって解るけど、あの頃は知らんかったしな」
「無知なガキだったのね」
「お前、やな奴だな~」
顔を見合わせ、どちらともなく笑い合う。
今まで、家のことや自分自身の事を他人に話したことがあっただろうか…ましてや、笑い飛ばしてしまっている。
上杉が不意に真顔になりボソリと言う。
「地元と違うし、お前の噂は放ときゃ消えるだろうさ」
「人の噂も49日ってか」
「75日だよ…お前、本当に裏口なんじゃね~の?」
間髪要れずに突込みが入る。
会話ってこんなに楽しかったっけ?
司はふと思ったことを口にする。
「もしかして、先生にでも俺の事頼まれたのか?」
司の問いに、上杉は苦笑い。
「お前の事っつうか……1年間クラスみんなが楽しく過ごせるようにってな」
「なんだよそれ、小学生の年間目標かっつうの!」
「だよな~。 聞いてて俺も参ったよ」
上杉がお手上げのポーズをして見せる。
「でも、頑張っちゃうんだ」
司の言葉に、上杉はため息。
「だから、そういう性分なんだよ」
笑いを堪えながら、明るい声で上杉に言う。
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