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それぞれの マイウェイ 1
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☆『迷える子羊』本編読了後に!
『迷える子羊2』の後。
高良・高3。佐久也・高2。春。
*****
『高良、起きろ!朝だよ高良!早く起きろってば!! 遅刻しちゃうぞ。このっ、バカ高良!!』
すごく近い耳元で佐久也の声がする。
「ん~~~…佐久ちゃん…もう少し~」
小さく呟き、まだ目を閉じたまま声のする方へと手を伸ばした。
すぐ横で、勢いよくカーテンが引かれる。
「おいっ!いい加減に止めてくれよ…その目覚まし!」
重たい瞼をこじ開け、寝ぼけ眼で声の主を見る。
そこには3年になって同室になった塚本が、二段ベッドの階段を半分ほど上り、まだ横になっている俺を見下ろしている。
(寮のベッドは壁に二段ベッドが造り付けられていて、それぞれにカーテンが付いている寝台列車仕様だ)
「あぁ、おは~」
言って、枕元の目覚まし時計を止めた。
ここは、聖藍学園風早寮の3年生ばかりが生活する4階の1室。
新しい寮室に移ってから約1週間、毎朝の恒例となってきているやり取りだ。
俺はベッドの上段から飛び降り、ユニットの洗面所に向かう。
歯を磨く俺に、もうすでに洗面を済ませ制服に着替えながら塚本が話し掛けてくる。
「相庭、やばいんじゃね~? 彼女とかならまだ解るけど、あの目覚ましの声って子供じゃんか? お前…古賀のブラコンだけに飽き足らず、ショタか?」
ショタって…いやいや、愛犬のモモだかモコだかの鳴き声を携帯に録音してたまに聞いているお前のほうがよっぽどやばいって…と、心の中で突っ込む。
佐久也が聞いたら『犬なんかと一緒にするな!』と怒りそうだが、塚本にしてみれば『犬なんかとはなんだ!』ってとこなんだろうな…。
俺らにとっちゃたかだか“犬”だが、塚本にとっては“大切な家族の一員”らしい。
「あれは佐久也の声だぞ」
「えっ、マジで!? だって、古賀にしては声がえらい幼かったような…」
「まぁ、中坊の時のだからな…」
「あ~…なるほどね」
変声期が随分遅かった佐久也の、今よりかなり高い声。
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