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それぞれのマイウェイ 3
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「お前なぁ。贈り物なら、リボンとか掛けろよ…。むき出しのままって、ありえんだろう…」
寮に入って、佐久也が居なくてもちゃんと起きられるように…と、いうことか。
その気遣いが嬉しい。
けれど、俺も素直に喜びを伝えられるキャラじゃない。
「だって…高良はプレゼント包装とかしてもらっても『ゴミになる!』って、絶対言うだろ!」
「まぁな…」
でもだからと言って、むき出しで持ってくる辺り…本当に素直過ぎ。
そこが佐久也の可愛いところだけどな。
おもむろに、目覚ましのスイッチを入れてセットしてみる。
『高良、起きろ! 朝だよ高良! 早く起きろってば!! 遅刻しちゃうぞ。このっ、バカ高良!!』
突然響く、佐久也の声。
チラリと佐久也を盗み見ると、顔どころか耳まで真っ赤だ。
まさか目の前で再生されるとは予想していなかったのだろう。
「佐久ちゃ~ん。これ、録音してくれたんだ~?」
にやけてしまうのを誤魔化すために、からかい口調でニヤリと笑ってみせる。
「なっ…なんだよ、嫌なら消せよ!」
「嫌じゃないさ。佐久ちゃんのお茶目な所も大好きだぜ」
ニヤリと笑う俺に、佐久也は背を向け急いでドアへと向かう。
「俺、本当にもう行くからな!」
後ろからでも、佐久也の耳が真っ赤なのがよく分かる。
本当にどうしてこんなに可愛いのかな…堪んない。
「おいっ、佐久也!」
部屋を一歩出た佐久也を呼び止める。
「なに!? まだ、何か文句ある?」
振り返る佐久也の表情は不機嫌。
でも、これは照れ隠し。
佐久也の事なら何でもよく解る。
「これ、やるよ!たった今、必要なくなった」
言って、ベッドサイドの小さな折りたたみ式の目覚まし時計を放った。
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