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それぞれのマイウェイ 6
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「うん。みんな佐久ちゃんに起こされてたぞ」
「さっ…、最悪だ……」
佐久也が困惑の表情で頭を抱えている。
「ははは。溺愛兄貴だと大変だよな…。古賀、そいつ任せた! 俺、先行って場所確保しとくぞ」
「先に1年生の都築と高秦も食堂行ってますから」
「了解! んじゃ、そいつらと合流しとくわ!」
「いつもスミマセン……」
「気にするなよっ!」
塚本は、佐久也に穏やかな笑顔を向けて出て行った。
俺に対する態度とえらい違うじゃないか…。
塚本を見送って振り向いた佐久也が俺を見て呆れ顔。
「まだ着替えてもないし…。 高良、今年受験生なのにそんなんで大丈夫なのかよ!?」
「う~ん…。それ、さっき塚本にも言われたなぁ」
俺の呟きに苦笑いしながら、佐久也はハンガーに掛けてある制服を手渡してくれる。
「あの目覚まし、使うの止めろよ…。 切り替えたら、ちゃんと電子音鳴るだろ」
「え~嫌だよ。そんな機械音じゃ味気ない。目覚め悪いだろ。そうだな…じゃぁ、毎朝佐久ちゃんが耳元で囁いて起こしてくれるんだったら止めてやってもいいけど?」
「嫌だよ。それも塚本さんに聞かれるじゃんか…そんなの今よりもっと恥ずかしいだろ!」
えっ?!
聞かれてなかったら、してくれるのか…?
「ちっ、塚本邪魔…」
「え…?」
俺の呟きに佐久也が怪訝な顔を向ける。
「いやいや、何でもない……」
制服のシャツに着替える。
ベッドに放ったパジャマのトレーナーを佐久也が律儀に畳んでくれている。
「もともとあの目覚ましは、寮でもちゃんと俺が起きられるようにくれた物なんだろ? ちゃんと佐久ちゃんの希望通りの使い方してるのに、文句言われる筋合いないなぁ」
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