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それぞれのマイウェイ 12
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「はいはい。高良様でしたね。そんだけ偉そうに言ってて、浪人したら指差して笑ってやるからな!」
なんかそのセリフ…佐久也の高校受験の時に近い様なこと言った憶えがあるな……。
「大丈夫!やる気になったら俺様は無敵だ。ちゃんと先行って、佐久也を待ってる!」
俺は嘯いて、不敵に笑って見せた。
佐久也も笑顔を返す。
「うん。俺、高良のこと信じてる!」
その言葉が、俺の力になる。
卒業してもまだ少し、佐久也は後を追って来る。
頑張ろうっ!
俺は前を向いて、自分自身の道を突き進む。
それは、そのうち佐久也と進む道が分かれても変わらない。
握る手に力を込めると、佐久也も強く握り返した。
たまにはこうやって、佐久也の背を眺め歩いて行くのもいいかもしれない…。
「高良…卒業まで高校生活の思い出、いっぱい作ろうね!」
「ああ、もちろん!」
俺は歩くスピードを上げ、佐久也を追い越す。
繋いだ手は離さない。
振り向いて、垂れた目の目尻を下げ大きな口を引き結び、口角を上げてニヤリと笑う。
でも、今はまだ……もう少しだけ、俺は佐久也の前を歩いていたい。
『それぞれのマイウェイ』 END
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