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あんのクソやろ〜
母さんに取り入りやがって!
勝手にコンサートに迎えに来て、勝手に家へ上がり込んで、勝手に………
由良は昨日の一件も生々しくも思い出してしまい、顔を怒りやら羞恥やらで赤く染め、学校への帰路を複雑な心境で進んだ。
学校へは行きたくないが、行かなければ不都合が生まれ、更には瀧澤に負けた気になって嫌だった。
あいつの顔面に拳の一つや二つ、見舞ってやりだい。
やりたいが、ここはグッと怒りを抑えて無視をする事にした。
昨日の事など、自分には取るに足らない出来事でお前など眼中にないと思い知らせるのだ。
怒りに任せ、学校へ辿り着くと、由良は下駄箱で上履きに履き替え、自分の2年3組の教室へと向かった。
「絶対無視。ガン無視。総無視してやっ……っんぅ‼︎」
緊張故に、独り言にしては大きな声で目標を口にし、階段を登ろうとした瞬間、後ろから口元を押さえて階段下へと引き摺り込まれた。
すぐ様口元の手は離されたが、壁へ押さえつけるように強い力で肩を掴まれ、由良は驚きで息を呑む。次にその相手を見て、更に驚いた。
「瀧澤!」
「おはよう」
目の前に広がる整った顔の男の名を呼んだ。すると、男は嬉しそうに挨拶をし、流れるように由良の唇へ自分の唇を重ねてきた。
「うっ、わぁーーーー‼︎」
瀧澤の口元を両手で思い切り押し退け、絶叫を上げた。
そんな由良の声に瀧澤は眉間に皺を寄せ、自分の口元を押さえてくる華奢な手を下げさせた。
「うっせーな。反応するにも、もっと可愛く反応できねぇ?」
「か、か、か、可愛くなくていいっ!つーか、お前は痴漢かっ‼︎」
正直、腰を抜かしそうになるほど驚いた由良は大きな声で抗議した。
「恋人に向かって痴漢はないだろ?」
「こいびとぉーーー!⁉︎」
瀧澤の厚かましくも承諾する事の出来ない言葉に由良が再び絶叫した。
すると、瀧澤は眉間の皺をより深くさせ、こめかみを押さえて反論してきた。
「お前、マジでうるさい。つーか、何だかんだで、ちょっとは俺に堕ちてるだろ?このまま付き合って好きになりゃいいじゃねーか」
「はぁぁあーー⁉︎」
どんな見解してんだ!と、由良が瀧澤へ怒鳴るように声を上げると、瀧澤はニヤリと笑って由良の腰をヤラシク撫でてきた。
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