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記憶 2
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〔シロside〕
最近、自分の行動の意味が分からない時がある。
今までは人の命令に従って動いていた。そこに意味なんてものは無かったし、それに疑問を持つことも無かった。
イカリさんと生活するようになってからは、何だか、よく分からない。
目を覚ました時、隣に温もりがある事に恐怖するくせに、なかった時は、何かを探してしまう自分がいる。
嫌悪を含んだあの冷たい目が怖かったはずなのに、イズナさんと話している時は冷たい目をしていないことを知って、心臓の裏がザラザラした。
死にたいって、もう生きたくないって思ってるくせに、"名前が欲しい"だなんて強請った。
名前なんて貰ったら、まるで明日もその明日もずっと先の、"未来"を生きたがってるみたいだ。
変なの。俺もイカリさんも。
俺に感情を教えようとするなんて。
そんなの要らないのに。きっとない方が良いのに。
俺の馬鹿みたいな望みを叶えてくれるなんて。
そんな事したって、イカリさんには何も得はないのに。
どうして、殴って犯して棄てないのかな。
イカリさんといると、分からない事ばかり増えていく。
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