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記憶 16
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「いらっしゃい我が家へ。君も今日から家族だ、皆と仲良くするんだよ」
目隠しが解かれて、視界が広がる。
薄暗いオレンジの光に包まれた部屋。
鹿の頭やよく分からない動物の骨や皮が壁中に飾られていて、不気味な空気が肌に刺さった。
「怖いかい?すまないね。私は標本作りが趣味なもんだから、夢中で集めているうちに気付いたらこんな部屋になってしまってたよ」
あはは、と照れながら教えてくれた。
柔らかい雰囲気に、飼い主に対する恐怖心が少しだけ薄れた。
「さあ、君の部屋はこっちだよ」
奥に案内され、ある部屋に入る。
足を踏み入れた瞬間、ブワッと全身に鳥肌がたった。
人間が、飾られていた。
体の一部だけが飾られているもの、全身を大きなカプセルのようなものにいれられているもの、瓶の中に浮かぶ臓器のような何か。
目の前の光景に脳内の処理が追いつかず、ただただ酷い吐き気に襲われた。
「2人とも、出ておいで」
棚や机の陰から、2つの頭が警戒したようにこちらを覗いた。
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