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記憶 17
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俺と同い年くらいに見える少年と、まだまだ顔に幼さを残した少女。
2人は、目元がよく似ていた。
その2人の関係は聞かなかった。名前も、歳も、何も知らないまま。
少年は俺と飼い主をギリッと睨んで、敵意をむき出しにする。
今にも噛み付いて来そうなのに、物陰から出てこない。
この子達も同じだ。恐怖を植え付けられた人。
憎しみや恨みも全部、絶対的な恐怖には勝てなくて、
悔しくて悔しくて仕方ないって顔して睨む。
「怖がらなくても大丈夫、目つきは少し悪いけど大人しくていい子たちだから。きっと仲良くなれるよ」
優しく頭を撫でられ、反射的にビクッと避けてしまった。
飼い主は一瞬ポカンとした顔をして、わざとらしく笑顔を作るとパンッと俺の頬を打った。
急に与えられた痛みに全身が震える。
「あ………ぁ、………ごめ、なさい……」
「あ、そうそう、ここでのルールを教えてあげよう。まず、私に反抗したらダメ。これは絶対だよ。それから私が呼んだ時以外はこの部屋から出たらダメ。この2つだけ。簡単だね」
震えながら必死に頷く。
その位なら今までの飼い主たちとあまり変わらない。
「うん、いい子だ」
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