アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
温もり 1
-
〔碇流side〕
「はい。これ」
「あ?何だこれ」
「あんたが欲しがってたやつ。要らないなら捨ててもいいけど?」
シロが自傷行為をした日から1週間が経った。
あの日を境に、シロは少しずつ俺に心を開きだしているように思う。
現に今だって、志樹が家に来ているのに寝室に籠ることなく、ソファに座っている俺の横にピッタリとくっついて志樹を警戒していた。
俺の横でカタカタ震えているシロを、いつものように足の間に座らせて志樹から大きな茶封筒を受け取る。
シロはこのポジションが1番落ち着くらしく、大人しく俺の中に収まっている。
かという俺も、丁度いいサイズ感のシロが傍にいるといい感じにフィットして悪くない。
たまに俺からシロを傍に来させることもあるほどだ。
なんだかんだ愛着が出てきているのかも知れない。
「なんだか恋人ってより親ガモと子ガモ」
「恋人でもカモでもねぇ」
「あ、そう」
茶封筒を開けると中には数枚のコピー用紙が入っていた。
シロもそれをぼーっと見ているが、よく分かってなさそうだ。
紙の左上に何枚か写真も一緒にとめてある。
それを見た瞬間、驚いて志樹を見上げた。
「きっちりお代は頂くからね」
その写真に写っているのは、紛れもなくシロだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
71 / 256