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優牙side2
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俺は急いで駆け寄った。人通りの少ない道路だが、いつ他の車が来るかわからない。
「おい!お前何してんだ。危ないだろう!」
顔を上げたそいつは男の俺でもハッとするほど綺麗な顔をしていた。赤い目が異様に輝く。
「いっそ、殺してくれればよかったのに。」
そいつは凛とした、でも今にも壊れてしまいそうな儚げな声でそう言った。
言葉を聞いて俺はカッとした。
廣川が死んだ日にそんな言葉聞きたくなかった。
「生きたくても死んだやつだっているのに、そんなこと言うんじゃねぇ!」
俺はそいつに怒鳴りかかった。
そいつも言い返してきた。
「じゃあこれからどうしろって言うんだよ!親に捨てられて親戚に引き取られたと思ったらその親戚にも放り出されて!これからどうやって生きろって言うんだ!わかったようなこと言うなよ!それとも何?お前が養ってくれるの?」
「あぁしてやるよ!世話してやる!だからもう死ぬなんて言うな!」
売り言葉に買い言葉だった。
「行っていいの?お前の家に…?ほんとに?」
その子は呆然としていた。こうなったらもうヤケだ。
「いいぞ!どうせ一人だしな!お前ぐらい養ってやる!」
そいつは急に涙を流した。
「わりぃな、ありがとう」
それだけ言うとそいつは倒れてしまった。
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