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第1夜-9
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「いい加減起きろってば」
軽い衝撃とともに世界が真っ白になった。
「え?なに?」
「何で俺が起きないんだよ。起きないのは晴臣だろうが。もう昼過ぎだぞ」
晴臣はもぞもぞとベッドから起き上がる。
よく分からないが、目の前には奏太が立っていて、手にはクッションを持っている。たぶんそれをぶつけられたのがさっきの衝撃なのだろう。
もちろん奏太はいつも通り―つまり、男―だ。
「ずいぶん楽しそうな夢見てたみたいじゃないか。しきりに俺のこと呼んでたけど」
「え。俺何か言ってた?」
奏太が向かいのソファに腰を下ろして足を組む。
「俺が起きないのが悪いとか何とか」
「あ、あはは。あーあ、夢オチかよ」
「なんだよ夢オチって」
「奏太が女になった夢見てたの。超美人で好みだったのになー。起こすなよ」
晴臣がそういうと、奏太はおえっと舌を出した。
「気っ色悪い夢見るなよ。……もう一時だぞ、腹減らないか。泊めてもらった礼に奢るから、飯食いに行こうぜ」
「行くー」
「その前に」
立ち上がりかけた晴臣に奏太が指を突きつけて動きを止める。
そのまま突きつけた指を下に向けた。
「それ何とかしろよ」
END
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