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押しかける彼-1
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*--押しかける彼--*
日中のパンケーキ屋のバイトから帰ってきてシャワーを浴びて汗を流し、そろそろ夕飯何にするか考えなきゃな、とか思っていた頃。
18時半くらいだろうか。
ピンポーン!
玄関のチャイムが唐突に鳴った。
いや、チャイムはいつも唐突に鳴るもので、予告とか前触れとかはないけれど、特にネットで買い物もしてないし、誰か訪ねてくる予定もない。
セールスとかだと面倒なので、居留守を使いたいところだ、けれど。
ピンポーン!
チャイムが再び鳴った。
居るのばれてるのかなー。
控えめに、コンコン、とノックする音も聞こえる。
完全に居るのが分かっているみたいだ。
……めんどくさい。
ため息をついた俺は渋々立ち上がって玄関を少し開けた。
「あっ、隼人さん。いるんじゃないですかー」
そこにいたのはスーツ姿の由紀だった。
「なっ、由紀、なんで」
「え、いや。急に隼人さんに会いたくなっちゃって。今日泊めてもらえませんか?」
爽やかな笑顔でむちゃくちゃなことを言う由紀。
「は?え?」
急展開かつ強引すぎて、俺は何を言っていいかわからなかった。
「いや、会社で定時になって帰ろうかなって思ったら、どうしても、どーしても隼人さんを今すぐ抱きしめたくなっちゃいまして。とりあえず来ちゃいました」
ひとまず由紀を中に入れて、事情を聞いたらコレだ。
「泊まるったって、由紀、明日の着替えとか持ってねーだろ。どうすんだよ」
「朝早めに出て一回家に帰れば大丈夫です」
いや、大丈夫じゃねーだろ。
もちろん今現在、俺は由紀にすでに背中から抱きしめられた状態で話を聞いている。
由紀って、思ってた以上に直情型っていうか、行動的なんだな……。
「隼人さんシャワー浴びたんですか?」
「ん?うん。今日バイトで汗かいたから。髪洗ってないからまだ後で浴びるけど」
「石鹸のいい匂いがします」
俺の首筋に鼻先をくっつけてくんくんやっている。
「やめろよ、くすぐったい」
由紀の額を手のひらで押さえて遠ざける。
「そんな、隼人さん冷たいことしなくても」
由紀が心底悲しそうな顔をする。
え、俺悪いことした?
「ご、ごめん由紀」
「いえ、大丈夫です」
案外簡単にけろっと回復した由紀は、また俺の首筋でくんくんやりだした。
「あ、そうだ隼人さん。夕飯食べました?」
「いや、これから買いに行こうかと思ってたとこだけど」
「じゃあ、泊めてもらう代わりに俺夕飯作りますよ。何を食べたいですか?」
「んー。炒飯」
「お安い御用です」
そんな訳で、由紀は今日俺の家に泊まることになり、二人して夕飯の買い出しに出かけた。
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