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Sexual intercourse through the victim ~Magic Marker Yoshimitsu side~
◆
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でも岡本の存在がオレと島崎の間から失
われたことで、お互い直に触れ合う機会が
生まれた。
そうして島崎の吐息や熱を知って、好き
だと囁かれて求められることの喜びも知っ
て、以前のように岡本を介せるかと言われ
たら…答えはNOに決まっている。
100歩譲ってオレが岡本に突っ込むこ
とは許容できても、目の前で島崎が岡本に
突っ込むのを黙って見ているなんて耐えら
れない。
島崎の胸倉を掴んで怒鳴りつけてやりた
い苛立ちと、だからといって岡本がしてい
るようには島崎を満足させられない悔しさ
がオレの胸を焼くだろう。
自分勝手だと重々承知していても、それ
が今のオレの本音だ。
だから岡本が高取だけのものになって本
当にホッとしたんだ。
「お前ら揃いも揃ってなにヘタレてんだよ。
いいって言ってんだから、俺に遠慮する
必要ねーだろ。
別に岡本とは何でもないんだから、マワ
したい時に勝手に連れてって好きなだけ
マワせばいいじゃねーか」
「ヘタレだとかそうじゃないとかじゃなく
て、あんなの見せつけられたら誰も手な
んか出さないって」
媚薬入りのローションを使われても達し
なかった岡本が、高取が乳●を抓っただけ
であっけなくイッてしまった。
それは口でどれだけ言葉を並べるよりも
如実に岡本が誰のものなのかを証明してい
る。
あの性欲旺盛なバカ二人でさえ空気を察
しているというのに、当の高取にそれが理
解できないというのだろうか。
「高取もいい加減に諦めたら?
誰を巻き込もうと何人にマワさせようと
岡本が見てるのは一人だけなんだから」
“俺と岡本の関係が切れたら都合の悪い
ことでもあんのか”
昨日、高取がオレに言った言葉と同じこ
とを返す。
欲を満たすために他人を利用しているの
はオレだけじゃない。
なんで岡本をマワさないんだと言う高取
だって、高取の命令通りに他人にマワされ
る岡本だって、他人を利用してるじゃない
か。
だったら知ればいい。
他人を介さずに感じる熱や吐息を。
知ってしまったら知らなかった頃にはも
う戻れないかもしれないけど。
「るせーよ」
高取は機嫌悪そうに吐き捨てて、それ以
上会話を続けようとはしなかった。
オレと違って高取ならば岡本が望む通り
のことをしてやれるくせに何を躊躇ってい
るのだろう。
端から見ているとまどろっこしいのだけ
ど、きっと他人には分からない事情もある
のだろう。
しかし、ふと先程見たこぼれんばかりの
岡本の笑顔を思い出す。
そしてその原因はおそらく高取との事だ
ろうということも。
高取の態度だけでは何も変わっていない
ように見えるけど、きっと二人の間にも何
か良い進展があったに違いない。
そう思うと他人事ながら気分が軽くなっ
た。
それは打算や罪滅ぼしの意識だけではな
い純粋な気持ちで、ガラにもないと自分で
も失笑してしまうけれど。
島崎のアホが感染ったんだろうかと今は
嘯いておく。
自分が満たされたから…頭の中がちょっ
と春めいたからって浮かれているわけでは
ない…と思いたい。
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