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Hey, BabyChan!! p2
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そこにはこの宿舎で最もうるさい男、ハンジソンが立っていた。紅潮した顔で、走ってきたのか肩で息をしている。大きな袋やら包装された箱など、郵便物らしいものをたくさん両手に抱えている。それを見たリビングの一同はなんだこいつか、という安堵にも似たため息を漏らした。
「お届け物です!!Stray Kids様で間違いないでしょうか!!」
ハンジソンは宿舎中に響くような声で叫んだ。
「はい!!Stray Kidsです!!もう少し静かにしてくれませんか!!」
負けじとヒョンジンが大きな声で返事をした。二人の声のデカさにちょっと迷惑顔のリノ。今にもおい、うるせえよと言いそうである。そんなヒョンにもお構いなく靴を適当に脱ぎ散らかすと、どすどすどすと入ってきてはリビング中央の机、4人の前に荷物をどさっと雑に置いた。
「なんだこれ」
荷物はどうやら9つぐらいはありそうである。我らが事務所にはたくさんの贈り物が後を絶えない。しかし、もちろん安全上事務所が処分するものがほとんどで、この宿舎に郵便物を届けることができるような人物はごくわずかだ。ということは…。
「これって…」
「そう!みんなの家族からの郵便物です!」
4人の顔が一斉にぱあっと明るくなる。カムバックも終わったからお疲れ様という意も含めてそれぞれの家族がねぎらいの何かを送ってくれたのだった。ハンは得意そうに鼻をふふんと鳴らしている。
「このハンジソンが事務所に取りに行ってきましたぁ」
ハンのドヤ顔は華麗にスルーして、自らの家族の顔を思い浮かべながら自分への郵便物を探し始める。
「俺のどれかな」
「ちょっと無視しないで!最後まで聞いて!」
バンッと机を叩くハン。
「何だよ」
ヒョンジンが胡散臭そうに答えると、ハンはますます得意げな顔になって机の上に広げてある荷物の中からひときわ小さな小包を取り上げた。包装のテープがちぎられているから、ハンが先に開けたんだろう。
「これ、俺の親戚のおばさんから来たんだけどさ、そのおばさんバラがたくさん植わった家に1人住んでて、薬草みたいなの育てて、その薬草で親戚とか近所の人に薬作ってあげたりして、親戚の中でも魔女って呼ばれるくらい不思議で謎多い人なんだけどさ」
興奮しているのか今日のハンの高速マシンガントークはいつもよりもキレが増している。
「で?」
「プレゼントとかやるような人じゃないわけよ…気になるじゃん?」
意味ありげにニヤニヤ笑いながら4人の前で小包を振ってみせる。
「何が入ってたの?」
しびれを切らしたヒョンジンが聞く。すると、ハンはその言葉を待ってたと言わんばかりにまたも得意そうに頷きながら小包の包装を剥がし始めた。
「なんと…こんなものが入ってました!」
バッと包装を勢いよく剥がすと、出てきたものは茶色いガラス製の古ぼけた小さな瓶だった。
「……何これ」
ハンの指に持ち上げられている小瓶を不審そうな目で眺める4人。大きさはフィリックスの小さな手のひらにすっぽり入りそうな程度の瓶である。中は液体でたぷんたぷんと満たされている。ラベルや、ロゴマークらしきものが見当たらないので、どうやら商品ではないらしい。そのかわり、黄ばんだ羊皮紙のようなが麻の紐でくくりつけられていた。
「みんなこれ見て」
ハンがくくりつけられた羊皮紙をを引っ張る。5人が顔を寄せてその羊皮紙をじっと見つめる。何かインクのようなもので達筆に書かれてあった。
「英語だ」
「さあ、フィリックス、出番だよ」
チャンビンが肩をポンと優しく叩く。フィリックスはさらに顔をぐいっと寄せて、目を細めて文字の羅列を追った。
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