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二次創作相棒〔もちろんフィクション、オリジナルエピソードです〕
モストゥル帝孫事件
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それは私がモストゥル滞在中に起きました。
モストゥル皇帝ハノ=シンの退位を三日後に控え、ハノ帝の次男テグ=シンの長男、レキ=シン帝孫が通っている、テイヴレイグハウススクールに、刃先をももいろに塗られた鉈が置かれていたのです。
テイヴレイグハウスには、席順という概念はないのですが、仮にも帝孫のこと、何かあってからでは遅いので、警備の都合上、漠然と席が決められてあり、その常席ピタリの位置に、鉈は置かれていたのです。
モストゥル警察は、日本モストゥル間の、被疑者移送の取り決め確認の一式を終えた私に、当該事件の犯人の割り出しと、協力とを依頼してきました。
本国の許可を取ったと言っていましたが、あの部長がおいそれと許可をくれるとは到底思えないのですがねえ。
私はモストゥルの技術力の限界を知っています。
日本やアメリカのように、監視カメラ映像で、“追尾”することが出来ません。
けれど、この国には、ワッチ(WACCTI)という存在がいます。
何が起きたとき、ワッチはそれを無意識に見続けています。
ワッチを辿ることで、犯人に辿りつくことは、けっこう簡単なのです。
一日半で犯人は特定されました。
(興味深いことに、ワッチは犯人が犯行後、別の衣服に着替えるところまで見ていたのですよ)
そして犯人の顔を見たとき、私はその表情から、彼の犯行の意図を理解してしまったのです。
これは、サー・コナン・ドイル作品でいうところの、
ホームズが自分で記述した事件簿
ですね。
おんなじミスを犯している。
おや。
私の表現にも独りよがりがありましたか?
もろですよ。
ワッチのことは土俗のなんやかやでしょうからいいとしても、犯行動機くらいは書いてくださいよ。
ああ。
それは至りませんでした。
でも簡単なことなのですよ。
テイヴレイグハウススクールは長い間女子限定の教育の場でした。
帝子帝孫は本来代々、シングラウルロウクスクールに通うのがならわしです。
帝王学が学べるのは、本来そこだけですから。
それを押してテイヴレイグに入れたこと事態、弟君様のお気持ちが伺えるのですが、そこはこの際おくとしまして、ももいろの鉈の意味を申し上げましょうか。
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