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「ブッ殺す」
低く、怒り狂った獣のような声。恐怖で俺の声から、引き攣った声が漏れた。
何にそんなに怒ってるんだ、お前!
ここいらを仕切っている、有名な族の頭がソウイウ事を言うと本気でやりそうで怖いっていうか。
「おい皆、逃げろ!!」
「私まだ死にたくない……!」
「君広くんのバカ!!」
ああ、やっぱり。
誰かが一人、教室から泣きながら飛び出していったのを合図に、ほとんどの人が後を追うように飛び出していった。
逃げ出したくなる気持ちは、物凄くよく分かる。
俊介が殺ると言ったら、必ず俊介のメンバーも参戦して、滅茶苦茶に全てを破壊しつくすだろう。それはもう、死人が出そうなぐらい。
「……それは嫌だな」
俊介が、人殺しになるのを黙って見ているのは嫌だ。
新聞やテレビで報道され、パトカーに乗せられた俊介が連れていかれる姿を想像してゾッとする。
「あ、あのさ。そんなに気にすんなよ」
「誰だ。誰に告白された。言ってみろ」
「お、落ち着けって! それに俊介が殴らなくても、俺」
告白された状況を思い出して、顔からサッと血の気が引いた。
そうだ、男からの告白にパニックになって、思わず相手の頬を引っ叩いて来ちゃったんだ。
あの瞬間、告白してきた男の顔が悲しげに歪んで、それを見た俺の顔も合わせ鏡のように歪んで。
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