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僕、金橋慧都(かなはし けいと)と香月壱椰(こうづき いちや)の出会いは高校一年の時だった。
クラスは違ったけれど、お互いクラス委員で、集まりのあった時に隣の席に座ってから、仲良くなった。
僕たちはタイプは違うけど、気が合った。
二年生になる頃には昼ご飯を一緒に食べたり、遊びに行ったりもしていた。
それぐらい仲が良くなっていた。
きっとこの頃から僕は壱椰のことが好きだった。
その好きが友情ではなく、恋情だと気づいたのもすぐだった。
でも、その頃彼女がいた壱椰に、告白するなんていう勇気を僕は持ち合わせていなかったし、例え彼女がいなくても、友情を壊したくないという想いの方が強かった。
友情を壊したくない、でも手に入れたい。
そんな複雑な思いを抱えたまま時が過ぎ、僕は壱椰と同じ大学に入学した。
友情を壊したくないと言っておきながら、全然諦められてない。
今だって、友達のフリをして一緒に居るも同然だ。
そばに居られるなら、友達のままでもいい。
そう思っていたはずなのに…。
脇に置いていたスマホの画面が光った。
そこには壱椰からのメッセージが来ていて、講義が終わったとのことだった。
早いなと思ったけれど、あの教授はそういえば10分前に講義を終えることが多いのだと思い出した。
すぐにそちらに向かうと返事をして、荷物をまとめた。
図書館を出て正門へ向かう。
「お待たせ」
スマホを弄りながら立っている壱椰に声を掛けると、顔を上げ笑顔を見せた。
「あぁ、じゃあ行こう」
歩き出した壱椰について行く。
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