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自己紹介を聞くと、みんな同級生で同じ3年生らしい。
佐々木と女の子の1人が知り合いらしく、今回の合コンが開催されたという。
「慧都くんと壱椰くんはさっきも一緒に来たけど、同じ学部なの?」
「違うけど、僕と壱椰は高校からの友達で…」
「そうなんだ〜!」
「2人とも本当に彼女いないの?」
「俺も慧都もいないんだよ!募集中〜」
僕は募集してないけどね。
でもこの場でそんなことを口にするほど馬鹿じゃない。
「えーじゃあ私、彼女に立候補しちゃおうかな〜」
「お?俺の?」
「ううん、慧都くんの」
「何だよ〜」
「あははっ」
みんな大分酔ってきている。
僕はそんなに飲んでないから酔っていないけど。
「私が壱椰くんの彼女立候補しようかなっ」
「まじ?」
あぁ、やだな。
壱椰が何度か合コンに行っていたのは本人から聞いてるから知っている。
でも、こうやって一緒に来たことはなかった。
だからこんな風に目の前で繰り広げられる会話に耐性がない。
こんなこと、簡単に想像出来たはずなのに。
来なければ良かったな。
これ以上見たくない。
この場に、いたくない。
そんな風に思いながら、僕は女の子達と当たり障りないような会話を続けた。
そして漸く席の終わりの時間が来た。
店の前で会計をしている佐々木が来るのを待つ。
戻ってきたほろ酔いの佐々木は、
「よし!じゃあこのまま二次会行こうぜ!」
と言った。
「ごめん、僕は帰るね。ちょっと飲み過ぎたみたい」
「慧都くん大丈夫?」
「帰れる?」
と女の子たちが心配そうに声をかけてくれる。
「うん、大丈夫だよ。僕のことは気にせず楽しんで。じゃあ…」
そうして僕は輪の中から抜け、家路に着いた。
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