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大学生になって一人暮らしを始めた家に帰る。
一人で住むには少し広い部屋。
パソコンの置いてある部屋に入り、明かりをつけた。
壁を見つめて息を吐き出す。
「もう無理かもしれない…」
ぽろっと出た声は、思った以上に弱々しかった。
ずっとずっと隠してきた。
でも大学生になってからは…
「え、今日?」
「そう!だめ?」
壱椰からの誘い。
僕の家で、借りてきた映画を観ようと言う。
2人で。
もう無理かもしれないと思った矢先のことで。
僕が何も言わないでいると、壱椰は申し訳なそうにしている。
「いや、あのダメならいいんだけど…」
「えっと…」
断る理由なんてない。
「慧都…?」
「いいよ、映画ってこの間映画館で観たかったって言ってたやつ?」
「そう!」
俺が了承すると、壱椰は屈託のない笑顔を見せた。
あぁ、まずいな…
そんな思いが、頭の中をよぎった。
今日は2人とも講義の終わりの時間が同じで、待ち合わせしコンビニでお酒やおつまみを買ってから僕の家に向かった。
「慧都に家来るの久々だな〜」
「そうだっけ?」
「2年の時ハロウィンパーティーしたよな」
「あーそんなこともあったね」
「みんなが慧都の部屋汚しすぎて、慧都の家でパーティー禁止令が出されたんだよな」
「それみんなが勝手に言ってるだけでしょ?僕は禁止令なんて出してないよ?」
「お前が怒らないから、逆にみんな怖くていつかキレるんじゃないかって話してた」
「ふっ…そんなこと話してたの?」
あの日はみんな汚していったけど、壱椰がちゃんと片付けてくれたんだよね。
だから、全然怒ってない。
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