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家に着いてテレビのある部屋へ向かう。
「慧都〜リモコンどこだっけ?」
「棚の中に入ってるよ」
「あ、あった」
そして二人でお酒を飲みながら映画を見始めた。
内容は海外のアクションもので、上映期間中とても話題になっていた作品ですごく楽しめた。
「面白かったな!」
「そうだね」
「ラストのシーンがさー!」
「お酒まだあるよ、はい」
「ありがとう。それでさー!」
なんてお酒を飲みつつ映画の話で盛り上がった。
相当気に入ったみたいで、壱椰の話は終わらない。
そんな無邪気な姿に思わず微笑む。
「何笑ってんのさ」
「いや、楽しそうだなと思って」
「そりゃ楽しいよ!慧都と二人で一緒に居るのも久々だし!」
「…そうだっけ?」
「そうだよ!最近はゼミのメンバーと一緒に居ることが多いだろ?」
確かにそうだ。
講義などを一緒に受けることはあっても、こんな風に僕の家で二人で映画を観るなんてことは久々かもしれない。
三年生になってゼミが始まってからは、ゼミメンバーと一緒に居ることも増えた。
経済学部である壱椰と法学部である僕は、三年生ともなればあまり講義は被らない。
会うことも減ったのに、僕の気持ちは変わらない。
「確かに…ゼミのメンバーは講義も大体被るし、一緒に居るの多いかも…?」
「だろ?俺は慧都ともっと一緒に居たいんだけど、なかなか難しいし」
っ…何を言うんだろう壱椰は。
「そんなに僕と遊ぶの楽しい?」
「んーそうだな…付き合いも長いし、一番一緒に居てラクだな。話も合うし、変な気遣いとか必要ないし」
「気遣いはしてよ」
「必要ないだろ?」
「必要でしょ」
「そういう慧都は俺に気遣いしてるのか?」
「………してる」
「何だその間は」
「ふはっ」
僕が思わず笑ってしまうと、壱椰も同じく笑った。
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