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「はぁ…はぁッ…あっ……」
ナカから引き抜く時にさえ、壱椰は小さく声を漏らした。
荒い息を少しずつ整えている壱椰を見つめていれば縛っていた手首に目がいく。
赤く擦れている。
痛そうだな、なんて他人事のように思いながら拘束を解く。
赤くなったそこをそっと撫でると壱椰は痛みからかピクリと肩を揺らした。
「擦れてるね…」
「お前のせいだろ。全部。」
この"全部"にどれだけの意味が込められているんだろう…。
「痛い?」
「…痛い」
「ごめんね」
謝ると壱椰は目を丸くし驚いた様子を見せたかと思ったらすぐに睨みつけてきた。
「謝るならやるなよ」
「それは無理」
最低だよね。
危害を加えて、謝って、縋って、それを繰り返す。
「………」
「ごはん食べようか。お腹、空いてるよね」
気づけばもう20時を過ぎている。
体を拭いてやる。
ほとんど動けないでいる壱椰を座らせた。そして先ほどつけていた足枷を壱椰の足に繋ぎ、それを更に柱に繋ぐ。
嫌そうな表情を浮かべている。
「何食べたい?」
「…」
僕の問いに壱椰は目も合わせないし、口も開かない。
「待っててね」
そう言い残して、僕はキッチンへと向かった。
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