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「なぁ…」
「何?」
「俺のこといつ帰らしてくれんの?」
出来上がった炒飯を食べながら、壱椰は不安げな表情を浮かべている。
そんな表情も好きだなと思う。
そして帰してくれることを前提とした質問。
帰すわけないのに。
「…何笑ってんだよ」
「え、笑ってた?」
「…慧都、お前おかしいよ。俺の知ってる慧都じゃない」
「…ふふ、あははっ…何?どこが僕じゃないの?勉強が出来て優しいのが僕?」
壱椰の表情はどんどん曇っていく。
そんな様子も気にせず話し続ける。
「こんなことするような、男を犯すようなのは壱椰の知ってる"慧都"じゃない?こんな酷いやつじゃないって?」
不安げに歪んだ表情は段々と恐怖へと変わっていくのが見て取れる。
本当に分かりやすい。
「僕が怖い?壱椰…」
スプーンを置き、壱椰の頬を撫でる。
そんな些細なことにもビクリと身体を震わす。
「怖いよ、こんなお前知らない」
「これから知っていってよ」
「…知りたくない」
拒否されて、頬を撫でていた手を払われる。
全てを拒否された気分になる。
いや、まぁ拒否されてるんだけど。
でもね、壱椰。
どんなに壱椰が僕のことを拒否しようと、そんなの関係ないんだよ。
壱椰の気持ちを無視してこんなことしてる自分がどんなに酷いかなんて分かってる。
それでも、もう引くことは出来ない。
顔を近づけ、唇をそっと重ねた。
「…っ…やめろ」
顔を逸らされる。
この拒絶が何よりの壱椰の答えで、僕は受け入れられていない。
それでも僕は…
「拒否は許さないって言ったよね?壱椰は、痛いことが好きなの?」
壱椰の手首を力一杯に掴む。
「…っ好きじゃない。……お前のことも好きじゃない」
「あーあ、ひどいなぁ…まぁいいや今日は。ほら、早く食べよ」
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