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そして、この間開いた物とは違うファイルを手に取り開く。
そこには、俺すら覚えていないような小学生の時に取った賞だとか、中学生の時の部活動だとか、そんなことが綴じられていた。
「こんな情報、どうやって…」
俺たちが出会ったのは高校生の時だ。
それ以前のことは、話したことは多少あったかもしれないけどこんな、俺が覚えていないようなことまで知られてるのはおかしい。
ファイルを戻し、その隣の赤い薄めのファイルを手に取る。
開くと、思わず言葉が漏れた。
「…最悪」
そこには、今まで俺が付き合った彼女の写真が、丁寧にもプロフィール付きで綴じられていた。
「壱椰は清楚系な女のコが好きだよね」
「っ…!?け、慧都…っ!?」
突然後ろから掛けられた言葉に驚いて振り返ると、帰宅した慧都が扉横の壁に寄りかかって立っていた。
「3限が休講になったから。僕が帰って来たことにも気づかないくらい夢中になってたの?」
少しずつ歩みを進めて来て、距離が近くなっていく。
後退りしたい衝動に駆られるが机があって、慧都と距離を取れない。
目の前まで来た慧都は開いたままだったファイルを見て指を指す。
「中村沙織ちゃん。中学1年生の時に出来た初めての彼女。美術部だったんだよね。今は確か美容の学校に通ってるよ。僕と同じくらいの金髪だったかなぁ…全っ然清楚じゃないんだよ」
「やめろ…」
「聞きたくないの?初めて出来た彼女の今」
「聞きたくない。興味ない」
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