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「この場合はこっちの例になるから…」
「あーなるほど」
「…翼冴、ちゃんと勉強してる?」
「してるよ!」
「もっとした方がいいよ」
「はははっ!言われてやんのー!」
「翼冴、そのうち慧都に愛想尽かされんぞ」
周りから野次が飛んでくる。
「うるさいな!お前らだって終わってねぇのに偉そうにすんな!」
「翼冴が怒ったー!」
「ははっ、こわーい!」
「ちょっと、静かにしててくれる?」
「ごめんなさい」
「静かにします」
僕が二人を見て言うと素直に聞き入れ、自分の課題へと戻った。
翼冴はよく揶揄われる。
と言っても本気の揶揄いではなく、仲が良いからこその軽い口調のものだ。
だから、翼冴も真剣に受け取らないし、僕だって真剣には怒らない。
みんなそれが分かってる。
ゼミメンバーはみんな仲が良い。
時間が合えば昼を一緒に食べることも多いし、夕食もゼミ終わりに食べていくことが多い。
ただ、壱椰を閉じ込めてからは一度も夕食を食べに誘われても、全て断っている。
あんまり遅くなると壱椰がお腹を空かせてかわいそうだから、せめてゼミの日は一緒に食べなくてもいいことにした方がいいかもしれない。
今日だって、何時になるか分からない。
「慧都、この場合は?これでいいの?こっちも似てるんだけど…」
「それはこっち。ここが違うんだよ」
「あ、そうか」
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