アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
55
-
意識が飛びかけると、ペチペチと頬を叩かれて呼び戻される。
「ぅ…っ」
そして俺が意識を取り戻すと律動が開始される。
「あっ…あッ…」
もう頭の中はぐちゃぐちゃで、どうしてこんなことになっているのか、思い出せない。
俺を見下ろす慧都の表情は苦しげで、抱きしめてあげたいと思うのに、腕に力は入らずそれは叶わない。
そして何度目か分からない熱さを中に感じたところで、ようやく中から引き抜かれた。
目の前が真っ暗になる直前、小さな声が耳に届いた。
「壱椰、ごめん…」
その声は震えていた気がしたけれど、それを確認することは出来なかった。
目を覚ますとベッドの上だった。
隣に慧都の姿はない。
「もう起きたのかな…」
そして起き上がろうとした時、背中に痛みが走った。
「ったー……」
どうしてかと考えて思い出した。
そうだ、昨日は床で…
何度も背中を打ちつけていた。
痣もありそうだな。
優しく出来そうにないと言った慧都は、結局最後まで言葉を発することはなかった。
「最後、何か言われんだっけ…」
気を失う直前、何か言われたと思ったけど、もう思い出せない。
とりあえずダイニングに行こうと痛みに耐えながら向かったが、そこに慧都の姿はない。
時計を見ると13時を過ぎていた。
「…うわ、そんなに寝てたのか…あれ?でも、」
決まりごとの一つで朝と夜のご飯は一緒に食べるというものがあったのに、今日は起こされなかった。
どんな状況でも、いつも絶対起こされるのに。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 87