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僕には決めたことがある。
決めたばかりのこと。
壱椰はすぐに眠りに就いた。
僕は壱椰に足枷は付けず、部屋を出た。
そしてあの部屋の鍵をつけていた引き出しを開ける。
そこには、監禁を始めたあの日に壱椰が持っていた鞄をそのまましまっていた。
鍵はかけずに引き出しを少しだけ開いておく。
壁に貼ってある写真を一枚ずつ見ていく。
一番多い写真は高校時代のもの。
一緒に撮った写真も高校でのものが多い。
大学では学部が違ったから、高校時代の時よりも同じ時間を過ごすことが少なかった。
でも、この数ヶ月…
壱椰と出会ってから一番、一緒に過ごす時間が長かった。
一枚一枚、いつどんな時に撮った写真なのか、鮮明に思い出される。
「好きだなぁ…」
思わず漏れた言葉に自嘲する。
寝室に戻り、ぐっすり眠る壱椰を見つめる。
無防備なその姿は、いつもと同じハズなのに、違って見えるのは、気のせいだろうか。
そんなことを思いながら布団に入り込む。
眠りたくない…。
込み上げてくる感情を抑え込む。
「壱椰…」
ゆっくりと目を閉じ、壱椰に寄り添って眠りに就いた。
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